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予約を無断キャンセルした客の番号を共有するサイト、注目浴びる 背景には飲食店の“泣き寝入り”事情

   

予約を無断キャンセルした客の番号を共有するサイト、注目浴びる 背景には飲食店の“泣き寝入り”事情

飲食店の悩みのタネである、大人数で予約したお客さんが連絡なしに来ないケース。こうした予約者の電話番号を店舗側で共有して、リスクを軽減しようという個人サイト「予約キャンセルデータベース」が、ネットで注目を浴びている。

きっかけとなったのは、7月3日の飲食店経営者のツイート。6人で予約したまま連絡なしで来ない客がいたが、小さなお店は潰れてしまうのでせめて連絡してほしい。飲食店全体でも無断キャンセル電話番号のデータベース登録も始まっているのでご注意を、と呼び掛けた。ツイートは同情や共感をもって、5万回以上リツイートされた。

この「データベース登録」が具体的にどのサービスを指しているのかはわからないが、「このサイトのことでは」とTwitterで予想されていたのが「予約キャンセルデータベース」だった。

サービスでは、予約を連絡なしにキャンセルしたことがある人の電話番号を、店舗が事前に調べられる。運営者にメールしてID・パスワードを発行してもらえば、どの店舗でも無料で利用可能。ログイン後に使える機能は2つ。予約を無断でキャンセルした人の電話番号を登録する機能と、既にデータベースに登録されているか番号を検索ボックスに打ち込んで確認できる機能だ。

検索結果は「登録されている」「されていない」のどちらかでしか表示されない。さらに暗号鍵とともに不可逆暗号化(ハッシュ化)して保存されているため、運営者が生のデータを見ても詳細を知り得ないシステムになっている。

しかしトップ画面には運営元が明記されていない。Twitterでは「なかなかいい」「便利」と評価する人もいたが、それ以上に「個人情報保護法的に大丈夫なのだろうか?」「悪用されそう」と疑問や警戒の声が多く上がっていた。

運営者と情報保護委員会 両者の見解

運営者・Kさんに取材したところ、サービスは2015年末に会社に務める傍ら個人で開始したという。自宅近くのお気に入りのお店が予約の無断キャンセルで困っていたのを受け、「仲間内だけでもいいから、過去に大人数での無断キャンセルしたことがある人を予約前に確認できるシステムを作ろう」と開発に至ったそうだ。

サイトの運営が個人情報保護法などに抵触する恐れはないか聞いたところ、「始めた頃に弁護士に相談の上、問題ないという判断となりました。また、最近取材された際に、メディア側の方が再度弁護士にお問い合わせいただき、やはり問題ないという判断となりました」と答えた。

現在、登録されている番号は30数件程度。手応えについては、「登録店舗が少ないこともありますが、特にこれといった手応えはありません。役に立っているという実感もありませんが、今回少々有名になったことで、登録の申請が更に増えましたので困っているお店はまだまだあるんだな、と悲しいながら感じております」という。

逆に問題や不都合を感じていることはあるか尋ねると、「特に不都合な点はございませんが、お使いになられる店舗経営者さんにご利用方法はお任せという性善説に基づいていますので、この辺がネックになることが後々あるかもしれません」とのことだった。

行政機関の見解はどうだろう。「個人情報の保護に関する法律」に基づいて行政や事業者を監督している機関・個人情報保護委員会の担当者に、サイトを確認してもらった。違法性について、次のように述べる。

「サイトが電話番号しか確認できないシステムですと、法律の対象外になる可能性が高いです。名前や住所など個人が特定できるような情報がひも付けられていたら個人情報となるので、対象内になるのですが、電話番号だけ並んでいるとそうはなりづらいですね」(担当者)

「また『個人情報の保護に関する法律』はこのように個人で運営しているケースですと、事業者しか規制の対象となりません。運営者がこのサイトを通して利益を得ようとしているのか、趣味の範囲か、それも大事な観点となってきます」

サービスは電話番号しか登録できない仕組み、さらに個人が有志で非営利的に運営しているので、運営側が同法律に抵触する可能性は低いようだ。しかし、お店側には問題が発生するかもしれないと担当者は話す。

「法律で個人情報を取り扱う事業者は、本人の同意を得ないで外部に提供することは禁止されているのです。このサービスですと店側はお客さんから許可をもらわずに登録することになるので、このあたりで問題が発生する可能性がありますね」

無断キャンセルされても泣き寝入り 飲食店側の悩み

「予約キャンセルデータベース」の試みはユニークだが、体制が万全とはいい難いようだ。しかし問題なのは、こうしたサービスの必要性が出てくるほど、「予約の無断キャンセル問題」を抑止する手段やシステムが飲食店業界にないところにあるだろう。

「予約した人が何も連絡なしに来ないケースは飲食店業界でざらにあります。ですが、お客さんに何も請求しないのがもっぱらです」

そう話すのは、2014年から東京・池袋でイタリアン居酒屋「酒場がぶ」の経営者だ。肉バル&チーズフォンデュが安く堪能できるとして団体客にもよく利用されるが、8人ほどの予約の無断キャンセルは、2、3カ月に1回はあるそうだ。大繁盛しているなら週に3、4回は起こっている店もあるだろう、と推測する。

「正直言うと、ドタキャンされた分を回収できることはほぼないんです。うちの場合ですと8人ならお会計は3万円くらい。店への利益だと7000、8000円ほど。従業員1人1日分の給料を逃してしまうことになります」(酒場がぶ 経営者)

それでも無断でキャンセルした人に費用を請求しないのは、手間がかかるからだ。弁護士への相談料もそれなりで、客単価1万円以下なら刑事事件として立件するのも難しく、お客さんとももめる。相応の賠償金をもらえたとしても、とにかく見合わないという。

「それなら『また来てください』と笑って対応して、もう一度足を運んでもらう可能性にかけた方がいいと考えてしまいます。キャンセル料が発生する取り決めもホテルとかならいいですが、うちのような居酒屋がやるには重く、予約が取りづらくなってしまいます」(酒場がぶ 経営者)

大手グルメサイトには、無断キャンセルした利用者にペナルティを科すところもあるが、「サービスごとに違うシステムでは意味がありません」とKさん。だから「予約キャンセルデータベース」は垣根のない、経営者であれば個人経営だろうとチェーンだろうと自由に使えて共有できる仕組みとして作ったという。

「ホテルの予約のように、登録済みクレジットカード等からの事前申込みでキャンセル料あり、という考え方が飲食店全体に根付いていく以外、解消の道は無いように思います」(Kさん)。消費者のモラル任せになっている「予約無断キャンセル問題」――業界では、改善に導くシステムの登場が望まれている。

http://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/1707/07/news125.html

こういうので非常識な客が減ると良いね

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