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あくせく働かない“山奥ニート”増殖中・・・新しいライフスタイル?自由気ままに暮らしたい

   

あくせく働かない“山奥ニート”増殖中・・・新しいライフスタイル?自由気ままに暮らしたい

和歌山県の山間部で地元の人たちの仕事を手伝いながら、わずかの収入で自由気ままに生活している若者たちがいる。あくせく働かず、自然に恵まれた環境で好きなことをしながらゆったり暮らす“山奥ニート”たち。かつて引きこもりだった者もおり、「楽しく暮らすのが一番」「ニートは恵まれている」と話す。そんな彼らに地元の人たちも好意的だが、果たしてこうした「自由な生き方」は長続きするのだろうか。(兵頭茜)

楽しく暮らすのが一番

1月中旬、和歌山県田辺市五味の畑で、2人の若い男性がクワをふるっていた。“山奥ニート”を自称する石井新さん(27)と三好芳彦さん(26)だ。

この日は近くの社会福祉法人の依頼で、入所者とともに畑を耕した。無言で黙々と土を耕す2人。隣には自分たちの畑もある。

和歌山市から車で走ること約2時間半。彼らが暮らすのは山間地域の限界集落だ。住居は廃校となった小学校の校舎を改装して使っている。この校舎は、ひきこもりの人を支援するNPO法人「共生舎」の所有で、代表が死去したため、石井さんらは、管理人として移住してきたという。

ニート仲間の住人は現在4人。いずれも20代の若者で、近所の住人の手伝いをして得た収入などで暮らしている。

厳密に言えば、彼らはニートではないかもしれない。それでも石井さんは「収入は少しあるけど、楽しく暮らすことが一番大事だと考えている。そういう人種を呼ぶわかりやすい言い方がない」といい、自ら“ニート”を名乗っている。

ひと月2万5千円

梅の実の収穫を手伝ったり、草刈りを手伝ったりと普段は力仕事が多い。彼らを除く地域の住人はわずか8人で、平均年齢は約70歳。住人から見たら孫ほどの世代の彼らは、若い男手として頼りにされる。「いてくれるだけでありがたい」という住人もいる。

「最低2万5千円あれば、ひと月暮らせる」と石井さん。家賃が必要ないのが大きいという。しかし、近所の手伝いだけでは生活費が不足することも。そんなとき、メンバーは“出稼ぎ”に出るのだという。

地方の観光地やリゾート地で短期間のアルバイトをし、必要なだけ稼いだらまた山奥に帰ってくる。この日も4人のうち1人は出稼ぎに出ていた。「なくなったら稼げばいい」。石井さんは笑顔で話した。

引きこもりから卒業

実は「特別田舎暮らしが好きというわけではない」という石井さん。「できれば都会と同じように暮らしたい」といい、持ち込んだパソコンでインターネットを利用している。ネットがあれば、山奥でも必要なものはたいてい手に入る。「(ネット通販の)アマゾンを使えば2日で届く。ネットさえあれば、実際暮らせますよ」と笑う。

また、住人で漫画など娯楽をシェアすることで、暇つぶしも共有できる。「しゃべらないけど気にならない。もともとみんな1人が好きなので」

石井さんは関東で大学生活を送っていたころ、引きこもりがちだったという。そんなとき、「誰かとつながらなければ」と思い立ち、ネットを通じて知り合ったのが、今も一緒に暮らす男性だ。

ネットでの交流を通じて意気投合した男性に誘われ、石井さんは思い切って縁もゆかりもない田辺市に来た。「ニートだから失うものがない。だからここに来ることができた」という。

「こんな生き方」発信も

若者たちは、今では住人から「ここを乗っ取ってほしい」といわれているそうだ。石井さんも「農業など色々なことを手伝いながらノウハウを学び、いずれは自力で生活できるようになりたい」と話す。

それでも、「ニートって恵まれている。そのことを自覚して、楽しまなければもったいないと思う」と、楽しみを最優先する考え方は変わらない。

「うまくいけば社会貢献にもなるかもしれない。こういう新しい働き方もニートならではでは」「『年を取ったらどうするの?』とよく聞かれるが、ここの住人はほとんど高齢者。住人を見てたら生活できているし、『何とかなるだろう』と思います」。そう言って笑う。

楽観的なようだが、先を考えていないわけではない。「今後、ニートは増えると思う。そんな人にこんな生き方もあると提示できるのでは」ともいう。

石井さんはブログで、田舎暮らしについて発信している。近所の猟師にもらった鹿を解体して食べたり、畑で食物を耕したりする様子をつづり、祭りやその準備など地域住民との交流を紹介している。

他の仲間も、ライブ配信サービス「ニコニコ生放送」で自身の暮らしについて紹介。「どんな生活をしているのか知りたい」と、この放送を見て訪れてくる人も多いという。

実家みたいになれば

田舎暮らしを夢見る若者は年々増加している。「子育てを都会ではしたくない」「自分らしく使える時間がほしい」「あくせくと働きたくない」。理由はさまざまで、他の地域でも田舎でニート生活を送る若者が現れてきているという。

同県紀美野町で「定住を支援する会」副理事長などを務める北裕子さんは「情報があふれている都会に比べて、田舎では自分で必要な情報を取捨選択できる。若者にこそ田舎で暮らしてもらいたい」と話す。

ただ〝山奥ニート〟に対しては、学校に行かず働きもしない本来の意味でのニートや引きこもりを脱し、無理せず自分に合った生活をするという面から肯定的にとらえる見方がある一方で、“その日暮らし”のライフスタイルを懸念する声もある。

和歌山大学産学連携・研究支援センターの湯崎真梨子特任教授は「『都会にはない自由な生き方を選べそう』と考えて、田舎へ来る若者が多い」と指摘。「今の若者は頭の柔らかい人が多い。田舎に来て、新しい発想で事業を始めたりしている。ネット社会を利用する人が多いのも若者の特徴だ」と話す。

一方で「こうした生活形態は長くは続かないのでは。最初はあこがれで田舎暮らしを始めても、暮らし続けるのは難しい」と危惧する。

また若者側にも、「定住」に縛られることに負担を感じる人がいるという。

4月には石井さんらに新しい仲間が加わる。「農業をしたい」という大学新卒の男性だ。「ここが実家みたいな帰る場所になれば…。どんどん人に来てもらいたい」(石井さん)。田舎ニートはどんな広がりをみせるのだろう。

http://www.sankei.com/west/news/160215/wst1602150007-n1.html

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