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【朗報】「悪役」誇張、トランス脂肪酸 内閣府「体内で蓄積することはなく、それ自体が危険な物質というわけではない」

   

奈良市でカフェを営む管理栄養士の中西純枝さん(45)。お客に出すクレープに使うのは香りのよい発酵バター。米粉のクッキーもバターを使う。トランス脂肪酸が含まれるマーガリンやショートニングはできるだけ使いたくない気持ちだ。「トランス脂肪酸は体内に蓄積すると聞き、体への負担が重いような気がします」と話す。トランス脂肪酸は心疾患のリスクを高める不健康な成分とのイメージがまとわりつく。

トランス脂肪酸は脂質に含まれる不飽和脂肪酸の一種だ。マーガリンの製造工程で水素を添加するときに副生成物として生成される。食品添加物だと勘違いしているケースも見られるが、トランス脂肪酸という油が売り買いされているわけではない。

マーガリンのほか、ショートニングにも含まれ、それらを使った菓子類やパン類、揚げ物など数多くの加工食品に使われている。牛やヤギなど反すう動物の胃でも作られるため、バターやチーズなど乳製品にも自然由来のものが微量に含まれているが、社会的な関心を集めているのは人工的なものだ。

●過剰摂取に警鐘

人がトランス脂肪酸を摂取したときの体内の動きについて、化学物質の代謝などに詳しい内閣府・食品安全委員会の山添康・前委員(東北大学名誉教授)は「体内で蓄積することはなく、それ自体が危険な物質というわけではない」と説明する。

だが、過剰に摂取すれば悪玉コレステロール(LDLコレステロール)を増やし、善玉コレステロール(HDLコレステロール)を減らすことが報告されており、動脈硬化のリスクを高める。このため、世界保健機関(WHO)は動脈硬化のリスク防止策として、トランス脂肪酸の摂取量を1日総エネルギー摂取量の1%未満に抑えるよう勧告している。1日あたりおよそ2グラムが目安だ。

食品安全委員会が2012年に公表した一番新しい調査結果によると、日本人の平均摂取量は男性0・3%、女性0・33%とWHOの勧告値よりかなり低い。このため、国内では特に規制されていない。

これに対して、米国では1・1%に上り、生活習慣病の増大が問題になっている。このため、トランス脂肪酸を含む部分水素添加油脂を使う場合は、政府の承認を必要とするとの規制案をまとめている。当初は今年6月に実施される予定だったが、事業者の対応が困難だとして、米食品医薬品局(FDA)は5月に実施を1年以上延期すると発表した。欧州でも含有量や表示の規制をしているところがある。

●メーカーも対策

こうした海外の動向もあり、国内メーカーも対策に動き出した。明治や雪印メグミルクは今春、トランス脂肪酸の少ない家庭用マーガリン類を発売した。1枚の食パンに塗るマーガリンの量はおよそ10グラム。以前は10グラムあたり約0・9グラムのトランス脂肪酸が含まれていたが、見直し後は約0・1グラムに減った。油の原料を常温でも硬いパーム油に切り替えるなど新しい技術で対応した。通常のバターにも自然由来のトランス脂肪酸が10グラムあたり約0・2グラム含まれるため、メーカー側は「トランス脂肪酸に限れば、バターとマーガリンで大きな差はなくなった」という。

外食産業やパン業界も低減策を進めている。山崎製パンは食パンに含まれるトランス脂肪酸はほぼゼロにした。だが、チョコチップなどを加えた菓子パンやケーキ・ドーナツ類には0・3~1・2グラム程度が含まれる製品もある。「サクサクしたおいしさも大切なので、顧客の好みに応じていくことも必要」と、事情を明かす。山崎製パンをはじめトランス脂肪酸の含有量を商品ごとにホームページで公開している企業も増えている。

●代替品にもリスク

一方、トランス脂肪酸を減らすために、常温で固形のパーム油に切り替えると、今度は逆に飽和脂肪酸が増えるとの指摘もある。パーム油やバターなどに多く含まれる飽和脂肪酸を過剰摂取しても、動脈硬化のリスクを高める。

このため、消費者庁は11年、食品100グラムあたりトランス脂肪酸含有量が0・3グラム未満、かつ飽和脂肪酸が1・5グラム未満の場合に限って、「ゼロ」や「フリー」と表示できる指針を示した。

外食や街の喫茶店では「トランス脂肪酸ゼロ」と表示されたコーヒーフレッシュも登場している。もともとコーヒーフレッシュに含まれるトランス脂肪酸は10グラムあたり平均約0・04グラム(農水省調べ)とごく少量だが、ゼロ表示は客の目を引く売り文句になるようだ。

トランス脂肪酸は油を使ったケーキ、マヨネーズ、アイスクリーム、ドレッシングなどさまざまな加工食品に含まれ、完全に避けることは難しい。食の安全と安心を科学する会の山崎毅理事長は「一番大事なのはトランス脂肪酸の取り過ぎに注意すること。(トランス脂肪酸が含まれる)菓子パンを1個食べたから危ないという話ではない。悪玉コレステロールの高い人が毎日菓子パンを食べ続けるのは良くないと考えたい」と話す。

農水省もトランス脂肪酸という一成分にこだわるのでなく、日本人が取りすぎの傾向にある脂質全体や塩分を控えるほうを優先すべきだとしている。

http://mainichi.jp/articles/20180712/ddm/013/100/010000c

 

(´・∀・`)ヘー

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