【動画あり】アニメみたいな「搭乗型ロボット」が遂に登場

アニメみたいな「搭乗型ロボット」遂に登場

クルマからロボットへ、そしてロボットからクルマへ――。

テレビアニメでは何十年も前から見慣れていたものの、一向に実現せずにいた夢の光景が、21世紀に入って20年弱、ついに現実のものとなって、公開された。東京近郊の工場内で2018年4月26日に行われた「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)お披露目会」の模様を、変形などの動画を含めて紹介したい。

ついに完成した全長約4mの「J-deite RIDE」

昨年11月に開催されたソフトバンクのイベント「SoftBank Robot World 2017」の会場で来場者の目を一際引き付けていたのが、ジェイダイト・ライド有限責任事業組合(LLP)の変形ロボット「J-deite Quarter(ジェイダイト・クォーター)」だった。全長1.3mのこのロボットは、人型からクルマへ、そしてクルマから人型へと変形が可能で、人型のときは二足歩行が、クルマのときは四輪走行が可能だった。

ただし、このときのJ-deite Quarterは、あくまでも「人が乗って操縦できるロボット」の先行試作品。目指すところは、今回披露されたJ-deite RIDEだった。細かい話は後にして、まずは「J-deite RIDE」が変形するさまをぜひ動画ご覧いただきたい。ロボットからクルマになり、その後、2人が乗り込んで、再びロボットになる。ぎこちなさはあるものの、見事に変形を実現している。誰もが見たことがあるはずの、しかし、いまだ誰も見たことがなかった風景だ。

「誰も作らないなら、自分で作る」

前述のジェイダイト・ライドLLPは、ソフトバンクグループの一員で、J-deiteの制御ソフトウエアを担当するアスラテック、ハードウエアデザインと設計を行うBRAVE ROBOTICS、量産、販売、製造サポートを担当する三精テクノロジーズの3社が設立した事業体だ。目的は、変形ロボット建造プロジェクト「プロジェクト・ジェイダイト」を推進すること。お披露目会ではまず、J-deiteの生みの親であるBRAVE ROBOTICSの石田賢司社長がマイクを取った。

石田氏がBRAVE ROBOTICSを立ち上げたのは、「いつの日にかロボットに乗ってみたい」という子供のころの夢がいつまでたってもかなわず、それなら自分で作ろうと思い立ったのがきっかけだそうだ。同社は変形ロボットの開発を専門に続ける世界で唯一の企業として、手のひらサイズのものから今回のような大型のものまで手がけているという。目指すのは、「人が乗って、変形、合体、飛行ができるロボット」。今回、人が乗り、変形までが実現したことで、これからは合体、そして飛行できるロボットの実現に向けて進んでいく。

J-deiteのシステムについては、アスラテックでチーフロボットクリエイターを務める吉崎航氏が説明した。2014年に完成したJ-deite Quarterと同様、今回のJ-deite RIDEにも同社の制御プログラム「V-Sido(ブシドー)」が使われている。V-Sidoは油圧機構を使った大型のものから、もっと小型のものまで幅広く対応できる汎用性のあるシステムだが、J-deite RIDEのように、全長約4mという大きさで、2人が搭乗し、二足歩行もできるロボットを手がけたのは初めてだそうだ。「おそらく世界初のお披露目」と、J-deite RIDEへの自信をのぞかせた。

三精テクノロジーズの大志万公博副社長は、自ら乗って操縦できる乗り物の実用化、量産化を目指して同プロジェクトに取り組む意向を示した。同社は、エレベーターの製造などを手がける会社として1951年に設立された。現在は、遊園地の乗り物や劇場の回り舞台、セリなどの大きな機構を持つ機械の設計や製作を手がけている。日本で最初にジェットコースターを作ったのも同社で、大阪万博では「ダイダラザウルス」という5つのジェットコースターが組み合わさったアトラクションを作って話題になった。5~6年前には、J-deiteとは別に、二足歩行できる変形ロボットを製作する企画を打診されたが、当時の技術では断念せざるをえなかったという。ところがその翌年、正月の特別番組で石田氏、吉崎氏のJ-deiteを知り、「これこそ取り組むべきプロジェクト」と事業部を立ち上げ、両氏にコンタクトを取ったという経緯がある。

あの大河原邦男氏がデザイン協力として参加

お披露目会では、2通の応援メッセージも披露された。1通目は、デザイン協力として名を連ねる大河原邦男氏から。「機動戦士ガンダム」のモビルスーツや「装甲騎兵ボトムズ」のアーマードトルーパーをはじめ、多くの実績を残し、現在もメカデザインの第一人者として活躍する同氏は、「やっちまったぜ! 私の仕事はアニメを見ている子供たちの脳裏に、“夢の種をまくこと”と理解しています。子供のころに見た夢を花として咲かせてくれた皆さまに“ありがとう”と言わせていただきます」とのこと。

2通目は、タカラトミーのトランスフォーマー・チームからで「『J-deite RIDE』の完成、おめでとうございます。同じ変形ロボットを創造する者として、これからも応援しています」というものだった。ハリウッド映画などでも世界的にも知られるトランスフォーマー・チームもまた、同じ夢を追う「同志」として「プロジェクト・ジェイダイト」へ期待を寄せた。

質疑応答ではより突っ込んだ情報が明らかに

質疑応答ではJ-deite RIDEに関するさらなる情報が明らかになった。その中から主立ったものを紹介していこう。

まず、ビークルモードでの走行性能だが、スペック上は時速60km/hでの走行が可能とのこと。ただし、J-deite RIDEは完成以来、工場から出たことがないため、実測はまだしていないという。公道を走れるものではないため、現在、実測に協力してくれるテストコースなどを募集中だそうだ。

加えて、J-deite RIDEの開発で苦労したポイントも明らかになった。J-deite RIDEは基礎設計に1年、部品の開発・評価に半年、組み立て始めてから完成までが約1年と、トータルで約2年半の期間を要した。その中で、特に難しかったのが、巨大化だ。

J-deite RIDEが変形するための基本的な機構は、先行試作品のJ-deite Quarterとほぼ同じで、そのまま大きくしたようなもの。部品はなるべく市販品を使うようにしたが、そもそも「二足歩行のロボット用」として開発された部品がなく、部品の開発から始めなければならないケースが多かった。駆動用のモーターにしても、J-deite Quarterではホビー用のものだったが、大型化に伴い産業用のものに変更。ソフトウエアでの制御や、搭乗者の安全性確保にも苦労があったようだ。

操縦については、ビークルモードでは一般的な自動車と同様にステアリングホイールとアクセルペダルで、ロボットモードではジョイスティックなどで行う。変形も含めた各種の操作は、コックピットからはもちろん、外部のコントローラーから2系統の無線を使って遠隔でもできるという。こうした操作もJ-deite Quarterのシステムを踏襲している。

将来的には、アミューズメントパークなどで活用するほか、ドームなどで開催される大型コンサートの舞台装置などにJ-deiteの技術を生かすことを考えているという。

石田氏が子供のころに見た夢を発端に、着々とプロジェクトを進めるジェイダイト・ライドLLPの面々。実証実験を兼ねたJ-deite Quarterの設計から完成、さらにJ-deite RIDEの制作の期間が短いことを思えば、この次のフェイズ――合体、飛行するロボット――の実現はそう遠くないかもしい。まずはより動きが洗練された「J-deite RIDE」が全国の遊園地で活躍する日を心待ちにしたい。

アニメみたいな「搭乗型ロボット」遂に登場 大河原デザインそのまんま
テレビアニメではおなじみでも、一向に実現せずにいた夢の光景が、ついに現実に。2018年4月26日にあった「J-deite RIDE(ジェイダイト・ライド)お披露目会」をリポート。

 

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