木村花さんへのヘイトを煽ったフジテレビは、「無罪放免」でいいのか

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木村花さんへのヘイトを煽ったフジテレビは、「無罪放免」でいいのか

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フジテレビの対応に問題……?

「このような悲劇はもう二度と繰り返してはならない」というムードが瞬間風速的に盛り上がるが、喉元過ぎればなんとやらでまたしばらく経つと同じような悲劇が量産されていく。いつまでこんなことを繰り返しているのだろうか。

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問題はなかったのか? 「テラスハウス」制作の関係者

フジテレビの恋愛リアリティー番組「テラスハウス」に出演中だったプロレスラー、木村花さんを死に追いやったと言われる「ネットリンチ」のことだ。

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ご存じのように、同番組内での木村さんの言動にイラついた”アンチ”の人々が彼女のInstagramに執拗(しつよう)な誹謗中傷(ひぼうちゅうしょう)を行い、その数は1日100件にものぼり、バッシングは彼女の母親のSNSまで及んだという。

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将来を嘱望されていた木村さんの突然の悲劇を受けて、多くのレスラーたちが「狂っている」と怒りの声をあげたが、まさしく狂気の沙汰としか思えぬ粘着ぶりで、彼女に罵声を浴びせ続けた人間がかなり存在しているのだ。

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これを受けて今、「SNS上の謗法中傷が裁かれる社会」を求める声が急速に盛り上がっている。立憲民主党の蓮舫さんもSNSで「対策に動きます」と表明。現行のような開示請求からの罰金などの処罰だけでは抑止力がないので、さらなる厳罰化や、犯人の実名を公表するなどの「見せしめ」も必要ではないかという意見も出てきている。

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個人的には、ネットリンチは傷害や暴行と並ぶ犯罪行為だと思っているので、このような議論が起きるのは喜ばしいことだが、一方であまりこっち方面の話ばかりが盛り上がってしまうことで、ある企業の彼女の死に対する「責任」がウヤムヤにされてしまわないかと心配している。

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その企業とは、フジテレビだ。

視聴者の関心をひくための「おいしいネタ」
報道によれば、木村さんへの誹謗中傷は今年1月から増えていったというが、「死ね」「消えろ」などの目を覆うような罵詈雑言が寄せられるようになったきっかけは、3月31日配信の番組(第38回)だという。

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この中で、木村さんは大切にしていた試合用のコスチュームを洗濯機の中へ忘れてしまい、それを知らない男性出演者が洗濯・乾燥をさせて縮ませてしまう。思い出がたくさんつまったコスチュームということもあって木村さんは、この男性の帽子を跳ね飛ばすなどして大激怒。この彼女の言動が放映されたことで、”アンチ”が急増していったのである。

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では、フジテレビと番組制作を請け負うイーストエンターテイメント側が木村さんに向けられる人格攻撃をやめさせるように何かしらの対策をとっていたのかというと、残念ながら現時点ではそのような情報はない。むしろ、煽っていたと見えてしまうような痕跡があるのだ。

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テラスハウスはYouTubeチャンネルで未公開映像を投稿しているのだが、木村さんが亡くなる9日前の5月14日に『“コスチューム事件”その後』という動画をVol.1からVol.3まで”3本立て”としてアップしている。その中の1本の説明を引用しよう。

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「快が花のプロレスの衣装を乾燥機にかけてしまったことから始まったコスチューム事件。ついにビビと夢が事件について花と話をすることに。ビビの意見を聞いた花は涙をおさえきれず、プレイルームを飛び出す」

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どうだろう、「事件」という煽り気味のワードを使っていることからも分かるように、制作サイドとしても木村さんへの批判を和らげるどころか、視聴者の関心をひくための「おいしいネタ」として使い倒しているようにしか見えない。

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実際、エンタメニュースサイト「リアルサウンド」は5月18日に『「コスチューム事件」その後を巡る対立で久しぶりに見れた“番組名物”――『テラスハウス』第41話未公開映像』という記事の中で、制作サイドの前のめり感について以下のように驚いている。

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『未公開映像ではテラハ史に残る修羅場となったあの「コスチューム事件」のその後が、3本の動画を通して未公開映像らしからぬボリュームで描かれたことが衝撃的だった』

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つまり、木村さんが1日100件にも及ぶ誹謗中傷で心をすり減らしていたまさにそのとき、フジテレビ側は「よっしゃ、コスチューム事件、バズってるぜ」と言わんばかりにせっせっと、彼女を攻撃する人たちに新たな「燃料」を投下していた可能性があるのだ。

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フジテレビの責任
このような話をすると、必ず「本人がこういう扱いを承諾してリアリティー番組に出演していたのだから、番組側だけを責めるのはお門違いでは」みたいな自己責任論へと持っていこうとする人たちがいるが、もし仮にご本人が叩かれることを覚悟の上で出演していたとしても、番組側には彼女のメンタルヘルスに配慮する責任があった。

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世界中で、リアリティー番組の出演者の自殺が後を絶たないという現実があるからだ。

例えば、イギリスのリアリティー番組「ジェレミー・カイル・ショー」では番組内で浮気がバレた男性が自殺をした。隣の韓国でも、10人ほどの男女がゲストハウスで同居するというテラスハウス的なリアリティー番組「チャク」で、出演者の女性がドライヤーのコードで首をつって亡くなった。女性は番組の「演出」でやたらと孤独な女として描かれているのに不満で、番組が放映されたら韓国では暮らせないとこぼしていたという。

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こんな「事件」が世界中に山ほど報告されている。それはつまり、このフォーマットで番組を制作する以上は、現場スタッフはもちろんのこと、出演者の安全に責任をもつテレビ局としても、このリスクを想定して最大限の「配慮」をしなくてはならないということだ。

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例えば、出演者同士の対立を過度に煽らないことや、出演者の一方の面だけにフォーカスを当てたような編集をしない。また、視聴者から度を越した誹謗中傷があった場合は、放映中止や出演中止の判断、さらには出演者のイメージや名誉を回復するようなアフターフォローなどが考えられる。

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番組がそこまで面倒を見なくちゃいけないのかと違和感を抱く人もいるかもしれないが、フジテレビにはその責任がある。面白ければなんでもいいというYouTuberやネット動画配信業者などではなく、政府から独占的に電波を使用できる免許を交付されている「基幹放送事業者」だからだ。

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テラスハウスの楽しみ方
民間企業ではあるものの、そういう特別待遇を受けているので「放送の公共的使命と社会的責任」(フジテレビの公式Webサイトより)を常に考えなくてはいけない。つまり、「台本なしで出演者は自分の意志で振る舞っているだけなんで、出演者に起きたトラブルは自己責任でお願いします」なんてブラック企業のようなムシのいいロジックは通用しないということである。

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また、いくら台本が存在しなくとも、出演者にはスタッフからの「アドバイス」という形のソフト演出もある。出演者自身も爪跡を残そうと、制作サイドや視聴者の求めていることを忖度(そんたく)して、エッジを立てたキャラづくりをする。また「編集」という情報の取捨選択によって、視聴者が食いつくような刺激的なストーリーへと方向づけされていく。

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つまり、「リアリティー」といいながらも多くのフィルターを介して人工的に加工された「制作物」なのだ。だったら、そこで起きるトラブルや人権侵害の責任は、制作著作のイースト・エンタテインメントと、企画制作のフジテレビが負わなくてはいけない。

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では、彼らがこれまでこの番組の出演者たちの人権に「配慮」をしてきたのかというと、なかなかそうとは言い難い部分がある。これまで出演者の中には、木村さんのように罵詈雑言の嵐にあった人たちも少なくないが、番組側が彼らをフォローするような対応をしてこなかった。

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むしろ、出演者の二面性などにフォーカスを当てたり、出演者同士の対立を蒸し返すようなムードをつくったりして、積極的に対立を煽っている側面が強い。実際、番組内容を取り上げたネットニュースのタイトルがそれを如実に示している。

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『テラハ』軽井沢、最終話を前に史上最悪の険悪ムード トリンドル「どの面下げて…」(オリコンニュース 2019年1月15日)

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ラストにスタジオ出演者のトリンドル玲奈さんが不快感を示したというニュースだが、こういう内容のときほどファンも大いに盛り上がる。つまり、この女は性格が悪い、この男の人間性を信じられない、など出演者をネタにボロカスに吊し上げることでスカッとするのが、テラスハウスの楽しみ方でもあるのだ。

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リアリティー番組の「狂気」
「それがリアリティー番組の面白さなのだ」と主張するファンも多いだろう。筆者はこのフォーマットをすべて否定するつもりはないし、リアリティー番組をすべて中止にせよなどと言うつもりもない。ただ、視聴者が面白いと感じさえすれば、出演者の人生などどうなろうとお構いなしという考え方をしていると、いつまでもこのような悲劇はなくならないと言いたいだけだ。

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そのような警鐘は実はずいぶん古くから鳴らされていた。それを象徴するのが1998年に日本でも公開された映画「トゥルーマン・ショー」だ。

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この映画は、生まれたときから私生活をリアリティー番組で24時間365日生中継されている男、トゥルーマンの話である。住んでいる街は巨大セットで、妻も親友も近所の住人や同僚もすべて役者で、リアリティー番組だと知らないのは本人だけ。そんな「台本のないドラマ」が見れるということで、番組は世界中で大人気となっていた。しかし、あるとき、見世物にされるトゥルーマンを救いだそうとする女性が現れたことで彼はこの世界の異変に気づき、セットの外へ出ようとする。それを制作サイドが必死に妨害をする。当時、世界的に大流行していたリアリティー番組を痛烈に皮肉っているのだ。

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例えば、トゥルーマンが外の世界を目指して、海にヨットで乗り出す。もちろん、これも巨大セットなので、プロデューサーは特殊効果で人工の嵐や雷を発生させる。トゥルーマンに諦めさせるためだ。しかし、海に放り出されても、トゥルーマンは諦めない。テレビの前で視聴者たちがその様子を固唾(かたず)を飲んで見守っている。

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それを見たテレビ局の幹部たちは「世界中が見てる前で彼を死なせるのか?」と慌てふためくが、プロデューサーはこんな言葉は吐き捨てる。

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「生まれたときと同じだ」

トゥルーマンはこのリアリティー番組の中で生まれた。だから、もしここで死んだとしても同じことだろというのだ。たくさんの視聴者を楽しませるという大義のもとには、たった1人の人生が狂おうと、命が消え去ろうとも大した問題ではない。出演者の人生を「神」のようにコントロールするテレビマンの「傲慢さ」と、リアリティー番組の「狂気」が垣間見えるセリフだ。

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「危険なコンテンツ」を扱っている自覚
このような出演者の人権軽視に走りやすい「危険なコンテンツ」を扱っているという自覚が、果たしてフジテレビや制作サイドにあっただろうか。自覚がなかったからこそ、出演者の一人が「死ね」「消えろ」と番組のファンたちからののしられていたのに、そのヘイトを煽るようなアクションをとっていたのではないのか。

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筆者はプロレスファンということもあって、今回、木村さんに向けられた憎悪を見て、タイガー・ジェット・シンさんのことを思い出した。40代くらいの方ならば覚えているだろう。サーベルを口にくわえて観客を蹴飛ばしながら入場し、リングでも凶器や反則を使う悪役レスラーだ。

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古くは、休日に新宿伊勢丹で買い物をしていたアントニオ猪木を襲撃するというルール破りをしたことで、「インドの狂虎」などとも呼ばれ、全国のプロレスファンから憎しみの目を向けられた。筆者も子供心に、シンさんをとんでもない非常識な人間だと思って、プロレス中継になると「シンをぶっ殺せ!」なんて叫んでいたものだ。

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しかし、これはプロレスでいうところの「ヒール」を演じていただけで、実際のシンさんは礼儀正しい紳士で、祖国では社会貢献にも力を入れる篤志家(とくしか)として知られ、今でも多くのレスラーから尊敬されている。東日本大震災時には日本の復興支援も行った。つまり、日本のプロレスというエンターテインメントを盛り上げるため、日本人レスラーたちをスターダムに押し上げるため、ファンが求めた「ヒール」という役割を果たしていただけなのだ。

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誰もがその才能を認めるレスラーだった木村さんもそうだったのではないか。つまり、テラスハウスというリングを盛り上げるために、あえてタイガー・ジェット・シンになったのではないか。

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これまで見てきたように、この番組を盛り上げるには視聴者がボロカスに叩けるような「炎上キャラ」が絶対に必要だ。台本はなかったかもしれないが、「プロ」である木村さんはそれは言われなくても分かっている。だから、カメラの前であえて派手に感情を爆発させた。ミスをした出演者男性を厳しく責めて、「事件」として盛り上げるような言動をとった。しかし、そこでご自身が想定する以上に、すさまじいバッシングが起きてしまったのでは――。

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もちろん、すべては筆者の勝手な想像なので真相は分からない。ただ、ひとつだけ断言できることがある。それは、SNSで誹謗中傷した者を裁くだけでは、このような悲劇は決してなくならないことだ。ヘイトを煽ることでエンターテインメントにしていくシステムを根本から変えなくては、またしばらくして新たな犠牲者を生むだけである。

最後になりましたが、木村花さんのご冥福を心からお祈りします。合掌。

https://news.yahoo.co.jp/articles/97df48a2a0210eda311617be4409c5c73ba514c1?page=1

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sakamobi
sakamobi

確かにネットで誹謗中傷する奴等はクソ野郎だが、一番の害は視聴者を意図的に一方向に扇動したメディアでしょ…😨😨😨

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