高田純次(72)さん、ギャグセンスが遂に枯渇する

もうすぐ72歳 高田純次「こんな夢、語っちゃダメですか?」
高田純次「適当じゃない」インタビュー #3

70歳を超えてなお「抱かれたい」ランキングに入り、その生き方に憧れを持たれるほどの高田純次さん。ロングインタビューの3回目は高田流の「老い」をテーマにお伺いしましたが、やっぱり元気です。聞き手は演劇史研究者の笹山敬輔さんです。(全3回の3回目/#2から続く)

抱かれたいお年寄り、実質1位だと思ってるのよ
―― 高田さんは、もうすぐ72歳になられるんですよね。

高田 1月21日で72歳。弱っちゃいますよ。気づいたらこの年になってたって感じだね。腰の手術をしただけで、健康ではあるんだけどさ。どうして72になっちゃったかなあ。

―― 『週刊女性』の記事で、「抱かれたいお年寄りランキング2018」というのがありまして……。

高田 そうそう、そうなのよ。これはね、「お年寄り」だけ外してくれって言ってるの。

―― 高田さんは見事3位です。

高田 これは4位を話さないとダメなのよ。4位が田村正和さん。これが重要なんだよね。「えーっ、あの田村さんが4位なのに」ってなるから。1位が渡哲也さんで、2位が北大路欣也さんでしょ。2人とももう女の子やっつけたりしないだろうけど、僕は薬飲めばなんとかなるから(笑)。だから実質1位だと思ってる。

―― 実質1位(笑)。

高田 でも現実的にはそうはならないよなあ。抱かれたいお年寄り3位になってから、「抱いてください」って名乗り出てくれる人、ひとりも出てこないもん。だからといって、「実は3位になったんだけど、今夜どう?」とも言いにくいからね。

―― 高田さんに投票した女性の一人は「適当なことを言う面白いおじさんのイメージが強いですが、かたやシリアスな役柄や役者としてかっこいい面もあって、そのギャップがすごくいい」とコメントしています。

高田 ありがたいよねえ。

―― 38歳の鹿児島県の方のようですけど。

高田 薬飲んで、鹿児島行かなきゃな(笑)。

一番難しいのは、普通に歩くこと
―― シリアスな役柄といえば、テレビ朝日『刑事・横道逸郎』(2018)で主演を務めるなど、シブい役者としての仕事も増えてますよね。

高田 僕が役者として何かいうのはおこがましいなあ。以前、映画の主役をやったことがあるんですよ。『ホームカミング』という作品。監督が白羽の矢を立ててくれたのはうれしかったんだけど、公開の前日が3.11の震災の日で、イベントも何もかも全部ダメになった。僕に主役は早かったんでしょう。神様が「まだ主役は早いぞ」って言ってくれたような気がしましたね。

―― 役者の仕事をするときに大事にしてることってありますか?

高田 まずはセリフを覚えることですよね。当たり前か(笑)。監督や演出家によっても違うよね。セリフも一字一句間違えないでくれっていう人もいれば、意味が同じなら自由にさせてくれる人もいる。

―― 縛りがあるとやりにくいですか?

高田 そういうのは慣れていかないとね。タバコ吸ったり、ポケットに手を突っ込んだりするのがダメって言われるときもある。演技のときにタバコ吸うのは、絵になるから楽なんですよ。相手の話を聞いてるときも、手をどうしたらいいかが難しい。高橋英樹さんと共演している「西村京太郎トラベルミステリー」に出るときは、なるべくポケットに手を入れないようにしてます。一番難しいのは、普通に歩くことかな。

―― コンビを組む高橋英樹さんは、高田さんのことを「芝居に関してはすごく真面目な人」とおっしゃってるようですね。

高田 恐縮してしまいますね。僕のやっている役は、もともと愛川欽也さんがやっていたものだから型ができているんですよ。だから、自分なりにやろうとすると余計に難しいですよね。

ほとんど悪人役のオファーをいただいたことがないんですよ
―― これまで共演した俳優で、この人すごいなと思った方はいますか?

高田 蟹江敬三さんの「自然さ」がすごかったなあ。「十津川警部」に弁護士の役で出られたとき、本当にずっと弁護士やってきた人のように書類を出したりしながら自然にセリフを言ってましたね。こういう当たり前の動作こそ、演技となると難しいんです。

―― 今後、挑戦してみたい役はありますか?

高田 やっぱり悪役が面白いよね。ただ、僕はどうしても善人のイメージがあるみたいで、ほとんど悪人役のオファーをいただいたことがないんですよ。いい人ってわりとパターンが決まってるけど、悪にはいろんなパターンがあるでしょ。いつかやってみたいんですけどね。

―― もし今、舞台の仕事が来たら、出てみたいという気持ちはありますか?

高田 時間があれば、やる気はありますけどね。今のところ最後の舞台は、竹下景子さんと『ラヴ・レターズ』に出たときですね。

―― パルコ劇場で長年上演している、2人だけの朗読劇。高田さんは、1992年に出演しています。

高田 「1日だけの公演で、本読むだけで稽古はしません」と言われたから出たんですよ。しかもお相手が竹下さんでしょう。断る理由はないと思って、お受けしましたけど、お客さんの前で本を読むのは難しいね。最初は普通に読んでたんだけど、だんだん恥ずかしくなってきて、本で顔を隠すようになっちゃって。竹下さんから「またやりましょう」って言っていただきましたけど、僕はもう恥ずかしくて「勘弁してくれ」って感じです(笑)。

―― 70代の境地に立った高田さんの舞台はいつか観てみたいです。

高田 僕らが舞台に立っていた頃とは、演劇の状況も変わったからなあ。だって、大学出て芝居やお笑いをやる人は少なかったですよ。大学を出た役者さんって、山村聰さんとかさ。

―― 東京帝大出身ですね。

高田 今は、けっこう大学出の役者さんも多いわけでしょう。俺なんか高校のクラス会に行くと必ず「高田だけが大学に行けなかった」ってからかわれるの。70になってもだよ(笑)。

生き方って言われても、生きてるだけだからなあ
―― クラス会はけっこうやるんですか。

高田 そうだね。でも、大学行って会社に入った連中は、65歳で定年でしょ。今となっては「高田はいいよなあ、70過ぎても仕事があってさ」って羨ましがられてるんです。

―― しかも「抱かれたいお年寄り」第3位。

高田 そうだよ。みんなが病気の話してる中で、俺だけはその辺は元気だからさ(笑)。

―― 男女を問わず、高田純次的生き方に憧れる人が多いのも頷けます。

高田 生き方って言われても、生きてるだけだからなあ。今となっては、明日も朝に目が覚めればいいなって。ほら、人間って目が覚めてみないとわからないでしょ。目が覚めてみて、生きてることを実感するのね。

―― 何やら深いことをおっしゃってるように聞こえます(笑)。

高田 この前、自分の年齢を実感したのは、免許証の更新をしたときですよ。70歳過ぎて高齢者講習を受けなきゃいけなくて、教習所に申し込んだんだけど、いっぱいなの。期間も差し迫ってたから、いくつも申し込んでキャンセル待ちしたんです。

―― そんなに混んでるものなんですか?

高田 俺も知らなくてさ、焦っちゃった。キャンセルが出たから、講習は受けることができたんだけど、ちょっと待てよって考えてみたんですよ。なんでキャンセルが出たのかなって。もしかしたら、この年だからね、申し込んでた人が鬼籍に入っちゃったのかもしれないよね(笑)。

抱かれたいお年寄りの3位は、とりあえずキープしたい
―― それにしても、72歳になろうとしているとは思えないカッコよさで、高田さんから老いの話を伺っているのも不思議な感じがします。

高田 だって、こう見えても東京オリンピック観るの2回目になるんだから。前のオリンピックは17歳のときか。同級生が聖火ランナーやったんだよね。今不動産屋やってる奴だけど。

―― 何か競技は観に行けたんですか?

高田 チャスラフスカが出てる体操を観に行きましたよ。申し込んだら1枚チケットが当たってね。同級生から「売ってくれ」ってすごかったけど、俺はレオタード姿が観たかったから「ダメだ、ダメだ」って必死。でも、あんなに激しく動くのに、レオタードってずれたりしないんだね。

―― 次のオリンピックも体操のレオタードに注目ですか?

高田 いやあ、レオタードどころの時代じゃないよね。あれから50年以上経ってるんだから、水泳だって全裸じゃなきゃダメだと思いますよ。人が宇宙にまで行く時代に、まだ服着てるなんておかしいよなあ(笑)。そのあと万博もあるんでしょ。俺は78か……。どうかな、キツイかな。これからの夢って言われたら、抱かれたいお年寄りの3位は、とりあえずキープしたいってことですかね(笑)。

https://bunshun.jp/articles/-/10274

sakamobi
sakamobi

高田純次さんってもう72歳なのかぁ…若いよなぁ😊😊😊

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