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【衝撃】シカと列車の衝突事故が起きる原因がついに判明

   

【衝撃】シカと列車の衝突事故が起きる原因がついに判明

シカと列車の衝突事故が起きる原因は「鉄分」だった!
日鐵住金建材「シカ対策システム『ユクリッド』」/梶村典彦

シカが線路内に侵入して鉄道会社が困っている──。国内鉄鋼メーカートップである新日鐵住金のグループ会社、日鐵住金建材で商品開発に携わる梶村典彦の目に、そんな新聞記事が飛び込んできた。

普通の人なら「ふーん、そうか」と読み流す程度の記事だろう。だが、どんな些事にも関心を抱く性分の梶村は違った。「どれほど困っているのか鉄道会社にヒアリングしたい」と即行動に移した。そして、全国で年間約5000件もシカと列車の衝突事故が起きて遅延や死骸処理など大きな損失を出し、防止柵で対策してもシカの侵入を一向に防げず、むしろ被害が拡大していたことが分かった。

これが、鉄道のシカ被害を低減する「ユクリッド」を開発することになったきっかけだった。

「社会問題を探し出し、それを解決する商品開発が使命だった」という梶村は、すぐさま研究に着手する。全国の鉄道会社や有識者の元を行脚しリサーチしたが、シカで困っているのに鉄道に出没するシカを研究する人がいない。暗中模索のスタートだった。

現場行脚で発見したシカが線路内に入る理由

当時は新入社員だった、梶村の部下の見城映(あきら)。彼が学んだ大学教授は、シカに関する研究をしていた。梶村はその研究を足掛かりに、見城と二人三脚で開発に取り組んだ。「最も苦労したのは相手が動物だったこと」と梶村は振り返る。話が通じず、人がいると警戒して姿を現さないからだ。

そこで、シカが出没すると作動するセンサー付き定点カメラで観察した。1カ月に2000~3000件ものデータを集め、見城が頭数、性別、線路に侵入してから出ていくまでの時間などで分類、数値化して分析した。

それだけではない。とにかく現地に足を運んだ。シカの獣道をたどりながら食事場所などを細かく地図に落とし込み、シカの行動範囲をビジュアル化した。山を一つ越えるときもあり、遭難防止のため必ず2人1組で調査するなど、危険と隣り合わせだった。

そんな懸命の調査から、梶村は「シカが線路内に侵入するのは、レールから鉄分を摂取しているからではないか」という仮説にたどり着く。そこから家畜用のサプリメントを作る会社と協力し、ブロック状の塩の固まりに鉄分を含ませ、線路付近に適正に配置すればシカの行動をある程度コントロールできる「ユクル」を開発した。

この名前は、現場に足を運ぶ梶村と見城だからこそ生むことができた。「日本語、英語、ドイツ語、たくさん候補を挙げたが、どれもしっくりこなかった」。あるときエゾシカ研究のため、2人で北海道を車で移動していると「夕来」という読み慣れない地名があった。由来を調べると、アイヌ語のユク(シカ)・ルー(道)の当て字だと分かり、ようやくユクルという名前にたどり着いた。

また、線路への侵入を抑止する柵も開発した。従来は線路脇に高い鉄柵を垂直に作っていたが、網に開いた穴から一度侵入したシカが脱出できず、衝突事故につながる危険性があった。そこであえて高さを低くし、線路とは反対側に傾斜をつけ、シカが侵入しにくく逃げやすいようにした。ユクが帰るところから「ユカエル」と命名。岐阜県の野生のホンシュウジカを対象に2年間検証した結果、侵入件数は171件から4件まで激減し、衝突は0件だった。

このユカエルとユクルにより、人間とシカの生息域に境界を作るユク・グリッド(区分け)を意味する「ユクリッド」というシステムが誕生した。

社内の批判にめげず顧客志向の信念を貫く

梶村のものづくりへの情熱の原点は高校時代にさかのぼる。

1968年、大阪で生まれた梶村は野球に打ち込むスポーツ少年だったが、腰を痛めて高校では激しい運動ができず目標を見失った。そんな折、美術部の顧問に勧められ深く考えず入部。彫像などを通じてものづくりの楽しさに取りつかれ、大分大学に進学し建築学を専攻。同大学院修了後の94年、日鐵住金建材に入社した。

入社15年目に巡り合った大仕事が、道路のパイプ型ガードレール、ガードパイプの商品開発だ。新日鐵住金では、新入社員に「いかに鉄を使うか」をたたき込む。「その教えにずっと違和感があった」という梶村は、鉄の部材だらけのガードパイプでは解決できない問題に対し、新技術を提案する。

従来品は車両優先の設計で、連続するパイプの連結部は貫通ボルトで固定するため、見た目も悪く歩行者が引っ掛かるのが問題だった。一方、新商品は樹脂で作ったナットケースをパイプ中に挿入し、片側からボルトを締める。ケース内で自在に動くナットが施工性を、突起の少ないボルトが歩行者の安全性を向上させ、見た目もすっきりする画期的なアイデアだ。

だが、当初は社内で否定的な意見が多かった。鉄だけでなく樹脂を使うとなれば、鉄の使用量が減り、不慣れな樹脂部材も取り扱わなければならない。梶村はそんな批判にめげず開発を続けた。かつて意匠設計を勉強し、1級建築士の資格を持つ梶村の手でデザイン性の高いガードパイプが完成し、グッドデザイン賞を受賞した。

この精神はユクリッド開発にも受け継がれた。シカの摂取を促すため、ユクルは塩分が主体で鉄分の量は少ない。ユカエルも網と支柱は鉄だが、柵の横架材は樹脂被覆繊維ロープにし、軽量化と施工性を高めた。「鉄を何トン使うかも大事だが、顧客が求める製品価値を高めるのも同じくらい大事」と梶村は胸を張る。

そんな梶村のぶれないこだわりが、一つの大きな社会問題の解決に一石を投じた。今や鉄道だけではなくシカの被害に悩む農業や林業からの引き合いも多く、ユクリッドは活躍の場を広げつつある。(敬称略)

http://diamond.jp/articles/-/132657

シカるべき措置を(;´Д`)

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