美佳さん(仮名、35歳) 「専業主婦になりたいのに、婚活で失敗ばかりしてしまいます」

母親が専業主婦で幸せな家庭だった

 結婚相手に求める唯一の条件は、「専業主婦にしてくれる」こと。今回の相談者・美佳さん(仮名、35歳)は、その一点にこだわっていました。

 しかし、こだわった結果、恋人と別れ、婚活は思うようにいかず……と、苦しい日々を送ることになってしまったのです。彼女は、なぜ専業主婦にこだわり、なぜ希望通りにいかないのでしょうか?

 美佳さん「私の母親が専業主婦だったのですが、家に居てくれたおかげで寂しい思いをすることはありませんでした。すごく裕福というわけではなかったけど、今思えば『幸せな家庭で育ったな』と思っているので、妻を専業主婦にできるくらいの稼ぎがある男性と結婚したいと思っています」

 木村「以前お付き合いしていた男性は、それが理由で別れたんですよね?」

 美佳さん「2年前まで付き合っていた同い年の彼は『専業主婦でいいんじゃないの?』と言っていたのに、だんだん『やっぱりそれはキツイ』と言い始めました。『こういう時代だから、僕だってリストラに遭うかもしれないし、病気になって働けなくなるかもしれない』と言うんですよ。だんだん言い争いが増えてきて、最後はケンカ別れのようになってしまいました」

 木村「独身女性が『専業主婦になりたい』という理由は、『仕事から解放されたい』『外で働くより、家事のほうが向いている』『高収入の男性と結婚したい』など、さまざまなものがありますが、美佳さんはどうですか?」

 美佳さん「正直、『今の会社を辞めたい』とか、『転職しても、その会社も辞めたくなるかもしれない』という気持ちはありますね。それと、ぜいたくをしたいわけではないけど、『自分たちの家をローンで買えるくらいの男性がいいな』とは思っています。すでに結婚した友人たちを見ても、普通の夫婦がそうしていますし、無理な希望ではないと思うんですけど」

 木村「彼と別れてからの婚活はどのようなものだったのでしょうか?」

 美佳さん「別れてすぐに婚活を始めました。『好き』という恋愛感情で突っ走ってしまわないように、出会った男性には最初から『専業主婦になって家事や子育てで夫を支えたい』と伝えていたんですよ。そしたら、話をしているときは『僕もそう思う』『全然問題ない』と言うんですけど、徐々にフェードアウトされてしまいました」

専業主婦願望は依存心とみなされる

 木村「それは、独身男性なりの意思表示である可能性が高いでしょう。なかなか面と向かって『専業主婦はダメ』とは言えないものですが、『自分が稼いだお金を使われるだけなのは嫌』『よほど好きな女性や美人でなければ認めづらい』という心境の人が多いものです」

 美佳さん「(首をかしげながら)独身男性はそういう考え方の人ばかりで、『専業主婦になってほしい』という人は少ないんですか?」

 木村「そういう人もいますが、元恋人の男性が『リストラされたら』『働けなくなったら』と不安を漏らしていたように、自分の収入とステイタスに相当自信がある人以外は少ないでしょう。また、そういう人でも、『僕の稼いだお金を使う代わりに、彼女は僕に何をもたらしてくれるのか』を天びんにかけるものです。これは裏を返せば、『彼らの望むものを与えられなければ、専業主婦にはなれない』ということ。美佳さんが独身男性たちに与えられるものはありますか?」

 美佳さん「(即答できっぱりと)特別美人でもないし、若くもないし、お金もないですね。『家事で相手を支えよう』という優しさはあるんですけど、それではダメですか?」

 木村「もちろん大事なところではありますが、短時間勝負の婚活でアピールするのは難しいものとも言えます。しかも『専業主婦になって家事で支える』という伝え方では、優しさよりも依存心を感じられてしまう可能性が高いでしょう」

 美佳さん「(再び首をかしげながら)依存心ですか? 家事はけっこう大変なので、そうとは思わないのですが」

 木村「『どちらが大変か』という問題はさておき、『外で働いてお金を稼がなければ、生活していけない』『外で仕事するほうが精神・肉体の両面で難しい』という感覚の独身男性が多いのが現実。一方、『家事はそこまでこだわらず、普通にこなしてくれる程度でいい』と多くを求めないものです」

 美佳さん「(納得がいかず食い下がる)役割分担というか、適材適所というか、そういう感覚はないんですか?」

 木村「今はどちらかと言えば、『仕事と家事や、家の中と外で役割分担する』というより、『仕事も家事も両方が行う』という人のほうが多いですね。都市部ほど、年齢が若いほど、『一緒に生活していく上でシェアしていこう』という傾向があります。美佳さんが自分の考え方にこだわるのはいいのですが、スタートの段階で結婚相手の候補がかなり減ってしまう感は否めません。結婚願望と専業主婦願望の二つは同じように見えてまったく異なるものですし、成就に向けたハードルの高さには大きな差がありますから」

 美佳さん「(すぐに理解した様子)会社の先輩から、『美佳ちゃん、それはなかなか難しいと思うよ』と言われました。『若い子ならまだしも、あなたの年では難しい』ってことですよね。だから今日こうして相談しに来たので、いい方法を教えてください」

――結婚願望と専業主婦願望の両方をかなえたい美佳さんに必要なことは何なのでしょうか?

高収入の男性と出会える場所は?

 木村「いきなり話の腰を折るようですが、恋愛も結婚も相手があることなので、自分の思い通りにいく簡単な方法はありません。ただ、その可能性を高めることはできますし、努力はすべきでしょう。努力の第一歩目は、出会いの場所へ行くことですが、これまでどのような婚活をしていましたか?」

 美佳さん「若いころは飲み会が多かったのですが、最近は年に一、二度くらいしかないので、彼と別れた2年前からは婚活パーティー、婚活サイト、テーマ合コンがほとんどです。『うまくいけば結婚まで早いだろうな』とは思いますが、『なかなかうまくいかない』という実感がありますね」

 木村「『どうしてもこういうタイプと結婚したい』というときは、そのタイプの男性がたくさんにいる場所に行くべきです。たとえば、婚活パーティー、婚活サイト、テーマ合コンの中でも、テーマを区切ったものを選んで行くべきでしょう」

 美佳さん「一度だけ『男は外で仕事、女は家で家事』というテーマの婚活パーティーに行ったことがありますが、そういうことですか?」

 木村「そういう直接的なテーマだけでなく、『料理好きの女性』『家事の得意な女性』『手料理が食べたい男性』『妻は家庭にいてほしい男性』などもアリでしょう。その他では、高収入男性限定のものや、高収入の男性会員が多い結婚相談所でダイレクトにマッチングしてもらうなどの方法で結婚する人もいますし、あるいは事前に互いの希望を伝え合えるお見合いでもいいでしょう。ただ、それらが『アラフォー年代に入った美佳さんに合っているか』と言えば難しいところがあります」

 美佳さん「(察したように)そういう女らしさのようなものを求める男性って、20代の若い子が好きですもんね」

 木村「そういうところもありますが、年齢は必ずしも不利に働くわけではありません。美佳さんは『アラフォー以上の男性にモテるかもしれない』というところもあるわけですから」

 美佳さん「自分を棚に上げてわがままかもしれませんが、40代以上との結婚は考えられないんですよ」

 木村「その他で美佳さんの専業主婦願望を受け止められる男性と出会うためには、ゴルフ、乗馬、ヨット、車、美食、高級ジム、芸術鑑賞などの高収入男性が集まるグループやサークルに参加したり、花見・花火・紅葉狩り・忘年会など季節ごとのイベントに顔を出したりするのもアリでしょう。もちろん、それなりの時間とお金の投資が必要になりますが」

 美佳さん「そこまで高収入でなくてもいいのですが、年収700万~1000万円くらいの独身男性で『妻は家にいてほしい』という人はいないのでしょうか?」

 木村「繰り返しになりますが、『いるけど出会える可能性は高くない』という現実がありますし、もし出会えたとしても美佳さんは『その男性に気に入ってもらえる可能性が低い』という問題を抱えています」

婚活中の家事アピールはNG

 美佳さん「(動揺して)エッ?! 何で私はダメなんですか?」

 木村「先ほど話したように、美佳さんのスタンスでは独身男性たちに『依存心のある女性』という誤解を抱かれてしまうからです。すると、『表向きは笑顔で話しているけど、心の中では引いている』という状態になりがちでけっきょくうまくいかないんですよ」

 美佳さん「『料理が好き』とか『好きな人を支えたい』とか、そういう控えめなアピールでも引かれてしまうということですか?」

 木村「婚活中のあからさまな家事アピールは、『依存しようという気持ちの表れでは?』と警戒心を高めてしまうことが多く、特に高収入男性はその傾向が顕著です。なかでも料理自慢は、独身男性の求めるメニューではないなどの理由で空回りに終わるケースが少なくありません」

 美佳さん「独身男性が求めるメニューってどういうものですか?」

 木村「わかりやすくいうと、オシャレなイタリアンやフレンチではなく、街のおいしい定食屋というイメージでしょうか。男性に好きな料理のアンケートを取ると、カレー、ハンバーグ、豚肉のしょうが焼きが必ず上位を独占するくらいですから。または、お酒に合うつまみがサッと出てくる居酒屋のような料理を求める男性も少なくないですね」

 美佳さん「そういう料理も、もちろんできますが、作っていてもあまり楽しくないですね」

 木村「しかし、多くの男性は専業主婦にそのくらいの要求はしますし、特に食べたいものばかり食べてきた独身期間の長い人ほど、その傾向がありますね。嫌な言い方になりますが、『専業主婦ならそれくらいやってもらって当然』という考え方です」

 美佳さん「幸せになりたいのなら、それくらいは当然ということですか?」

 木村「今、『幸せになりたいなら』とおっしゃいましたが、『専業主婦になったら幸せになれる』という考え方はやめましょう。どんな結婚をしたとしても、その後の夫婦生活は2人で作り上げていくものであり、『こんなはずじゃなかった』という誤算や危機も乗り越えていかなければならないのですから」

 美佳さん「それはわかっていますが、『結婚できたとしても、その男性とうまくいかなかったらどうしよう……』という不安はありますね」

 木村「怖いのが、『専業主婦だからこそ夫とケンカが多くなってしまう』という夫婦が少なくないこと。立場と役割が真逆なので、互いを尊重し、感謝を伝え合うことが難しいところがありますし、特に仕事をしている男性は、専業主婦の女性に対して、上から目線になりがちなので、美佳さんが今思っている以上の幸せは得られないかもしれません」

 美佳さん「言われてみるとそうかもしれませんね。専業主婦にはなりたいけど、そればかりにこだわってはいけない気もしてきました」

 木村「出会ったばかりの男性に『私は専業主婦になりたい』と条件を押し付けるような形の婚活はやめましょう。『結婚後も働き、妊活をしながら徐々にフェードアウトする』という女性や、『子どもが生まれて幼稚園か小学校に入るまでは家事に専念する』と約束する夫婦もいます。美佳さんにとって重要なのは、『専業主婦願望をかなえてくれる男性』ではなく、『話し合い、協力しながらやっていける男性』との出会いを探すことではないでしょうか」

――コンサルから約半年間、美佳さんからの連絡はありませんでした。そして、ひさびさのメールには、彼女の葛藤と決意が書かれていたのです。

 美佳さん「その後、いろいろ考えてしまってなかなか行動に移せませんでした。何人か男性との出会いもありましたが、外見が好みではなかったり、『女性も絶対に働いたほうがいい』という人だったりで、状況は何も変わっていません。遅いかもしれませんが、このままでは結婚すらできなくなってしまいそうなので、専業主婦にこだわらず仲よく一緒に生きていけそうな人を探そうと思っています」

 今回のテーマは、専業主婦願望の高い女性の婚活。

 「仕事の苦しさから解放されたい」「外で働くより、家事のほうが向いている」「高収入男性と結婚して気楽に暮らしたい」など理由はそれぞれですが、「専業主婦になりたい」という独身女性は少なくありません。

 しかし、美佳さんの元恋人がそうだったように多くの独身男性が、「もしリストラされたら」「転職がうまくいかなかったら」「病気やケガで働けなくなったら」などの不安から、専業主婦願望の強い女性を受け止め切れないところがあります。

 一方、自分の収入やステイタスにある程度の自信があり、「妻になる女性は外で働かなくてもいい」と言い切れる独身男性も一筋縄ではいきません。「僕の稼いだお金を使う代わりに、彼女は僕に何をもたらしてくれるのか」と思い、女性に美しさや若さなどを求めがちです。

 また、短時間勝負の婚活で専業主婦願望を伝えると、相手男性に「この女性は僕のお金に依存しようとしているのではないか?」という警戒心を抱かれる可能性大。「家事が得意」「好きな人を家事で支えたい」などの発言は、その最たるところなので気をつけたいところです。

 現実として「専業主婦だからこそ夫とケンカが多くなってしまう」という夫婦も多いなど、そもそも「専業主婦になったら幸せになれる」という考え方自体が根拠のないもの。どんな夫婦も日々の生活は2人で作り上げていくものであり、そのためには「専業主婦願望をかなえてくれる男性」ではなく、「しっかり話し合い、協力しながらやっていける男性」を探したいところです。

「専業主婦になりたい」のに婚活で失敗ばかり : ライフ
 結婚相手に求める唯一の条件は、「専業主婦にしてくれる」こと。今回の相談者・美佳さん(仮名、35歳)は、その一点にこだわっていました。 しかし、こだわった結果、恋人と別れ、婚活は思うようにいかず……と、苦しい日々を送るこ

 

この記事、インタビュアーがいいから読んでて楽しいわw

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