NTT「あかん!若手の優秀な人材がGAFA等の外資に引き抜かれてしまう!」→「せや!ラグビー部を職場にぶちこませてボールパスしたろ!これで組織活性化や!!」

GAFAに人材流出防げ NTTコムの新キャリアパス
NTTコミュニケーションズの山本恭子ヒューマンリソース部長

若手の人材が、グーグルやアマゾンなど「GAFA」と呼ばれる米IT(情報技術)大手4社に流出してしまう――。こんな悩みを抱える日本のIT企業は多い。通信やインターネットのプロバイダー事業を手がけるNTTコミュニケーションズもそのひとつ。人事全般を担当する山本恭子ヒューマンリソース部長は「多様なキャリアパスを用意する必要がある」と危機感を募らせる。今後の対策を聞いた。

■道は「管理職」だけではない 若手の選択肢増やす

――日本のIT大手からGAFAへの人材流出が増えています。

「当社は離職率の低い会社として有名でしたが、この10年で上がってきています。まだ世の中の平均よりは低いですが、エンジニアだけでなくコンサルティング系の職種でも増えてきています」

「社員は6千人を超え、グループでは2万2千人以上もいる会社です。業態も幅広いので経験できることは結構多いと思います。ところが、それを知らずに『思っていたのと違った』『コンサルがやりたかった』などと言って辞めていく人がいて、とても残念です。日々の仕事のなかで、やりがいや自分が役立っているという感覚を持てないと退職のリスクが高まるのだと思います」

――対策はどんな方向で?

「『キャリアパスの多様性』がキーワードだと思っています。技術が世の中を変える時代です。『最先端の技術力を持って仕事をしている。その価値を今、認めてほしい』『将来、組織のマネジメントのようなことはしたくない。専門性で貢献したい』といったキャリアの希望は、今の仕組みではサポートしづらいのです」

――多様なキャリアパスとは何でしょう。

「終身雇用を前提に、若い頃は下積みで、その後管理職になってマネジメントを……というのが従来のキャリアパスです。ところが今後は、管理職になるより、セキュリティーやソフトウエア開発などの分野で専門性を極めたいという人が増えていくのかもしれない。そういう前提で、専門職と管理職を同じくらいに処遇できるような仕組みを拡大しようとしています」

■「幅広い仕事のなかに成長の機会」とアピール

「これまでも『スペシャリスト社員制度』という制度はありました。ただ、雇用形態を変えなくてはならずハードルが高かった。もっと利用しやすい制度に変え、若い社員も使えるようにします。年俸制に近い考え方なので、成果が期待に届かなかったり、スキルを生かせるポストがなかったりした場合、給与水準が下がる可能性があります。現在、組合に説明しているところです」

――ほかにも対策が?

「いきたい部署に自分を売り込める社内FA(フリーエージェント)制度も19年度からやろうと思っています。これまでは募集するポストがあったら社員が手を挙げるという仕組みでしたが、ポストの有無にかかわらず手を挙げられる仕組みにする予定です」

――採用も変わる可能性がありますか。

「技術職として採用する場合、『どの部署に配属されるかはわかりません』と言ってきました。ところが、それだと『じゃあ御社には行きません』といわれてしまうケースも多くて。採用の環境の変化を感じます。だからこそ、色々な経験ができるのが当社のよさだと伝えていかなければならないと思っています」

「『スペシャリスト採用』のような仕組みがあってもいいのかもしれませんが、現実には3年ぐらいたってから選べるようにする方がいいかなと思っています。待遇にも関わることですから」

■「課長が忙しすぎる」 若手育成のネックに

――若手の離職防止には、上司の役割も大きいです。

「部下の一人ひとりと向き合ってもらうのが第一歩です。きちんと相談に乗るとか、やりがいをきちんと聞き取るとか、そういう姿勢だけでも全然違ってくるんですが、それが本当に難しいと痛感しています」

「原因のひとつは課長クラスが忙しすぎることです。働き方改革の流れがあって、部下を早く帰宅させないといけない。そのために部下が残した仕事を課長が引き取るというようなことが起きています。課長の働きの半分くらいは部下の育成にあててもらいたいのですが、なかなか難しいです。育て方を教えるのはもちろんですが、その前に負担を減らそうとしています」

――どうしたら負担を減らせますか。

「たとえば、勤怠管理の負担は結構重いと思っています。リモートワークやフレックス勤務も増えて管理が大変になっています。それを解決するため、当社の人工知能(AI)を使ったチャットボット(自動応答システム)をつくり、今年の春からいくつかの部門でやろうと思っています」

「スマホでアクセスすると『何時に出勤しましたか』『残業の理由を下記から選んでください』などと聞いてくるので、それに答える。それだけで出勤簿の記録や残業申請などが完了するシステムです。上司には自動的に『この人はもうすぐ組合協議対象の残業時間に達します』『この件がまだ承認されていません』といった通知が入るので、承認漏れも防げます。こういう細かい積み重ねで負担を軽くしていきます」

■組織活性化、ラグビー部も職場「乱入」で一役

――会社のラグビー部「シャイニングアークス」の部長も兼ねているとか。人事の仕事とつながりますか。

「最近は、積極的にチームと職場のコラボレーションをしています。2018年には『押しかけラグビー』という企画を始めました。職場に突然、ラグビー部員がわーっと入っていって、社員にボールをパスしたり、体を動かしてもらったりするんです。割と反響があってNTTファシリティーズやNTT西日本営業部などにも呼ばれて行きました」

「体を動かすのは健康経営につながりますし、そういうイベントがあれば会話が生まれるじゃないですか。雰囲気を動かすというか。ラグビーチームは我々の会社の財産です。試合に勝つのも大事ですが、チームの価値は何かと考えたときに、会社組織への貢献も必要だという議論になり、メンバーが考えた企画です」

「こういう活動を冷ややかに見ている人もいると思います。一生懸命仕事をして稼いだお金をチームにも使っているわけですから。でもこのチームがあることで会社を誇りに思う気持ちが生まれたり、子供を試合に連れて行けたりするということもある。仕事ではない場面で何か補ってくれているのかなと思っています」

https://style.nikkei.com/article/DGXMZO42715110Q9A320C1000000/

sakamobi
sakamobi

根本的な問題に何も気付いてなくて草

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