超大物女優「日本の映画監督は気の毒。日本映画界の役者の層が薄いから。幅もないし」

超大物女優「日本の映画監督は気の毒。日本映画界の役者の層が薄いから。幅もないし」

樹木希林「地位や名誉なんて面倒くさい」

先日行われた第71回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールに輝いた映画『万引き家族』。本作で、圧倒的な存在感を示し、メガホンをとった是枝裕和監督が絶大なる信頼を寄せている女優が樹木希林だ。女優人生50年を超える大ベテランにして日本映画界の宝ともいえる存在だが、樹木は「地位や名誉なんて面倒くさい」と一蹴する。

2008年公開の『歩いても 歩いても』で是枝監督とタッグを組んだとき、樹木は60代半ばに差し掛かっていた。そこから是枝作品には立て続けに出演しているが、その他にも、河瀬直美監督や原田眞人監督、沖田修一監督など、作家性の強い監督作品に出演している。

「基本的に困っている制作チームから話をいただくと『私でよかったら』と言ってしまうんです。潤沢な資金がある映画だったら、私じゃなくたって、他にいい人がたくさんいるでしょ。原田さんも予定した女優さんがダメになって困っていた。河瀬さんも『予算がないんやけどね~』って言っていたので、誰も出る人がいないなら、という感じなんです」

芸人なんていうものは、スッと消えていったほうが良い

 是枝監督の『歩いても 歩いても』で数々の賞を受賞すると、その後も原田監督作品の『わが母の記』、河瀬監督作品の『あん』などが、多くの映画賞で高い評価を受けた。

「トロフィも置き場所がないぐらいもらっちゃって、世間的にはいいのかもしれませんが、芸人なんていうものは、スッと消えていったほうが良いんじゃないかなと思っているんです。自分のなにかを残そうなんていうのは、面倒くさいものなのよ」

こうした考えは芸能の世界に入ってから一貫しているようで「地位とか名誉とかを得ようという気持ちはありませんでした。どうせなら名誉より実のほうがいいですよ」と語ると「昔、郷ひろみちゃんと一緒にユニットを組んだとき、賞をいただいたのですが、私は『賞状とかトロフィはいりません。副賞だけでいいですから』っていったぐらい」と大笑いする。

日本映画界の役者の層が薄い

 ことあるごとに「早く私の代わりの人が来てほしい。いつでも席を空けているから」と発言している樹木。しかし、出演オファーは絶え間なく続いており、作品は途切れることがない。やはり唯一無二の存在なのだろう。

しかし本人は「そんなことはありません」とキッパリ。さらに「監督は気の毒よね。日本映画界の役者の層が薄いから。幅もないし……」とつぶやく。

真意を問うと「近代劇の監督はいつも絶望していると思う。山田洋次監督が以前、タレント名鑑を見て『あきらめ表』だと言っているのを覚えています。そういう思いをさせているのは私たち俳優。いま、いろいろな監督が現代を舞台に『こういうものが撮りたい』という表現に挑んでいるのに、役者の層が追いついていかない」と現状を嘆く。

続けて「人数はいるのですが、みな同じで個性がない。私がテレビで見ていても、会ったことがある人でも区別がつかなかったりする。舞台挨拶などでも、狭い場所でみんなヘアメイクとスタイリスト連れて同じようなことをしている。そういう風なことをして、人間が描けるのかなと思うんです。役者として、人物を演じるというのはとにかく、普通の生活をしなければいけないと思うんですよ」と持論を展開する。

私も監督を失望させている“あきらめ表”の一人

 その意味で言えば、『万引き家族』で樹木は、入れ歯を外し、髪をボサボサにし、ある意味で“気味の悪さ”を体現している。

「顔が飽きちゃったというのはあるのですが、老人の気持ち悪さみたいなものを、知らない若者が多いんだと思う。人間は年をとると崩れていくんだよというのは、私は経験をしていたから、表現したいなという思いがあったんです」

本作での役柄を見ていると、本人は「そんなことはない」と否定するが、やはりその存在感は日本映画界にとっては絶対的なものに感じられる。しかし、やはり「先ほど申し上げましたが、私も監督を失望させている“あきらめ表”の一人なんです」と自己評価は低い。

では、どうしたらこうした状況を打開できるのか――。

「自分自身を広げるしか方法はないんですよ」と静かにつぶやくと「私はもうこんな年で先がないですからあきらめていますが、もう少し若ければ、プロダクションでももう一度立ち上げてやるべきだったかなとは思います。でももうそんな能力はないですからね」と自嘲気味に笑う。

樹木は作品ごとに「もうこれが最後でいい」と話しているが、それでも、本作でみせた芝居は、多くの俳優の指針となるだろうし、圧倒的な存在感を示している。まだまだ日本の映画界での活躍を期待してしまう。

「そんな期待されても困りますよ。いくつだと思っているんですか」と突き放したようにつぶやくが「まあ、ご縁があればね」と笑顔で語ってくれた。

樹木希林「地位や名誉なんて面倒くさい」(THE PAGE) - Yahoo!ニュース
先日行われた第71回カンヌ国際映画祭で最高賞であるパルムドールに輝いた映画『万引き - Yahoo!ニュース(THE PAGE)

 

「みな同じで個性がない」ってのは本当そうよね(;・∀・)

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