1日に90人殺害されるメキシコ 大企業も怖がって逃亡

1日に90人殺害されるメキシコ 大企業も怖がって逃亡

4月には1日90人が殺害された記録も。危険さを増すメキシコで企業が事業閉鎖するケースが増加

暴力そして殺害が多発しているメキシコで企業が事業を閉鎖するケースが増えている。
6月に入ってペプシコーラのボトラー(※飲料メーカーが製造した原液を水で薄め、容器に詰めて製品化して卸売り・小売りに供給する会社)GEPPグループもゲレロ州アルタミラノ市の本社を閉鎖することを決めた。GEPPは40年の事業経験を持ち、2011年よりペプシコーラのメキシコ全域でのボトリングそして販売を手掛けている企業で、ペプシコーラの他にもゲータレード(Gatorade)、7Up、ミリンダ(Mirinda)なども同様に取り扱っている。

GEPPのグループ全体で4000人を雇用し、125の生産ラインを持ち、8997台の配送トラックを所有している大企業だ。(参照:「Expansion」、「America Retail」)

事業を閉鎖することにした理由は、今年1月から同社の従業員が暴力組織から恐喝や暴行の被害を受けていたことだという。そして、5月29日以降になると、彼らは会社側に社屋の権利維持の為の支払いを執拗に要求するようになったという。(参照:「Sin Embargo」)

もちろん、GEPPも暴力組織からの恐喝などの圧力だけであれば本社事業の閉鎖には至っていなかったかもしれない。ところが、2015年にマネジャーのウーゴ・デ・ラ・クルスが会社に向かう途中、テロロアパン市の2キロ手前の所で武装グループに拉致され、それ以後彼の行方が途絶えてしまったという誘拐事件を経験しているのだ。しかも、その年は、アカプルコとチルパンシンゴの両市で事業や企業の閉鎖が270件も発生するという恐怖の年であった。

今年3月末にはライバルのCoca Cola Femsaというコカ・コーラのボトラー会社も同じくゲレロ州での事業を閉鎖したという前例もある。

GEPPでは、ライバルのコカ・コーラもゲレロ州での事業から撤退し、また社員に危害が及ぶことを避けたいとして本社事業の閉鎖を決定したようである。しかも、ゲレロ州はメキシコで麻薬組織など暴力組織が最も蔓延っている州である。今後もこの自治州で事業を展開して行くことは可成りの危険を伴うことになると経営者側でも判断したようである。

過去最高に暴力が横行した2017年を早くも上回る勢い

「Sin Embargo」紙の報道によれば、プロモーター企業Creaturaの部長、パトリシア・デ・オベソによると、「2011年以降、暴力は減少したように思われた。ところが、実際にはそれ以後犯罪の構造がより複雑になり、犯罪組織は公的行政組織にまで影響力を及ぼすようになり、誘拐や恐喝などを稼ぎのビジネスにするように変化した」というのである。それから発展して殺害も増加している。彼らは政治組織や警察組織にまで影響力を及ぼすことが出来るようになっているので、犯罪者を逮捕することも容易ではなくなり、仮に逮捕されても証拠不十分とか言ったことで釈放になるケースが非常に増えているのである。(参照:「Sin Embargo」)

2017年は最近20年間で最も暴力が横行した年とされていたが、今年はそれを更に上回る傾向にあるという。なにしろ、今年第一四半期の鉄道や路上での強奪事件は850件以上で、それは昨年比5.8倍の増加なのだ。盗難に至っては、3300件で昨年比65%の増加だという。

殺害事件は、今年4月だと一日に90人が殺害されたという記録があり、昨年比25%増し。3月の燃料の盗難は34%増しといった結果になっている。

更に問題なのは、犯罪被害届を出そうと思ってもどこに出せば良いのか被害者は戸惑うということなのである。何故なら、警察も犯罪組織と内通している場合が往々にしてあるからである。

犯罪さえ減ればメキシコは経済成長できる

バージンの創業者リチャード・ブランソンは既に2014年、メキシコ経済紙『EL FINANCIERO』によるインタビューで、「メキシコで治安の悪さを政府が解決すれば、彼はメキシコに積極的に投資する」と表明している。

いままでも米国の企業は労賃の安いメキシコへの投資をこれまでも積極的に進めて来ており、増える犯罪への対応策について各企業とも苦慮している。

メキシコでの米国企業の安全を確保するために彼らが行っているのが、投資先を比較的安全が保障されている自治州に変更しているということである。例えば、「タマウリパス、メキシコ・シティー、ゲレロ、チウアウアといった自治州から、比較的安全なケタロー、ユカタン、プエブラ、オアチャカ、ヌエボ・レオンといった自治州に投資先を移しているのである。

米国商工会議所に加盟している企業のおよそ1450社がメキシコに出資し、同国のGDPの21%を米国企業が担っているという。その内の100社はメキシコで最も重要な企業500社の中に含まれている。

メキシコが今後成長して行くには社会の安全を保障できる国にして行くことが必要である。

4月には1日90人が殺害された記録も。危険さを増すメキシコで企業が事業閉鎖するケースが増加 | ハーバービジネスオンライン
暴力そして殺害が多発しているメキシコで企業が事業を閉鎖するケースが増えている。6月に入ってペプシコーラのボトラー(※飲料メーカーが製造した原液を水で薄め、容器に詰めて製品化して卸売り・小売りに供給す…

 

 

「犯罪さえ減ればメキシコは経済成長できる」とは言っても、犯罪の撲滅を訴えた政治家がその場で殺されるような国だからな…(;´Д`)

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