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医療服のまま外食するアメリカの医者

   

医療服のまま外食するアメリカの医者

医療服を着たまま平気で電車に乗るアメリカの医師・看護師。その衛生観念を聞いた

街中でナース服や白衣などの“医療服”を身にまとった人を見たことがあるだろうか。

筆者が日本にいた頃の地元では時折、財布と携帯を手に持って外出する彼らを目撃することがあったが、正直なところ決して見ていて気持ちいいものではない。クリニックや歯医者などの受付係や事務員なのかもしれないが、やはり「体を治す場所」で着るあの服で、院内外の出入りを自由にされると、幾ばくかの不快感を覚えるものだ。

一方、現在筆者が滞在しているアメリカでは、“医療服”の行動力は、「外出」で収まるレベルを優に超えている。昼時、院外のファストフード店やデリに入ると、手術の途中で抜け出してきたのかというような格好をした医療従事者が多くの一般客と机を並べて食事している姿を頻繁に目撃する。さらには、通りの一角で“医療服”のままタバコを吸ったり、終いには地下鉄に乗って家路に着いたりもするのだ。

現地メディアもこの問題は度々取り上げており、アメリカ国内にもこれが「不衛生である」という認識は少なからず存在しているはずなのだが、この光景は一向に消える気配がない。

アメリカで一般的に着用されている“医療服”は、「スクラブ(scrub)」と呼ばれる。日本語で「ごしごし洗う」と訳せるが、この服がそう呼ばれるようになったのも、「ごしごし洗われるべき環境下にあるから」だと考えられている。

アメリカの国立生物工学情報センターが行った調査によると、日勤と夜勤の看護師10人に無菌のスクラブを支給し、勤務終了後に付着した細菌の集落数を調べたところ、日勤のスクラブには1平方インチ(約6.5平方センチメートル)当たり1,246個、夜勤のそれには5,795個が検出されたという。

さらに、その48時間後には各抗生物質に対して強い耐性をもつMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)が日勤看護師のスクラブから4個、夜勤看護師のそれからは3個発見されたという。このMRSAは、抵抗力の弱い患者が感染すると肺炎や敗血症、髄膜炎などを起こし、最悪の場合死に至る、昨今の院内感染症で最も主要な原因菌の1つといわれている。これらの結果からも、多くの患者に触れる可能性のあるスクラブが「ごしごし」されることは、ごく当然のことであると容易に想像できる。

では何故、アメリカの看護師や医師らは、こうした「ごしごしされなければならないようなもの」で公の場に出てしまうのだろうか。

今回、筆者の問いかけに応じてくれた30代の男性看護師によると、その理由は「(アメリカ国内にある)ほとんどの病院には、院外でこのスクラブを着てはいけないという明確な規則もないし、外に出る度に着替えていられるほど時間に余裕がないから」だという。

また、菌が無数に付着しているスクラブで帰宅することについてどう思うか聞いてみたところ、「シフト後は、同僚らでごった返すロッカールームで着替える気にならない。そんな時間すら惜しいほど疲れ切っているため、多くの看護師らが“スクラブ退勤”をする」、という予想に違わぬ答えが返ってきた。

彼は続けてこうも話してくれた。

「もちろんその勤務中に明らかに汚れた場合は即座に着替えますよ。ただ、結局そこは病院であることに変わりがない。スクラブだけでなく、ペンや携帯、ネクタイにだって菌は付いているし、病原菌の出処である患者自身だって同じ条件で院内を出入りしていますしね」

◆「モテ目的」のためにわざと脱がない医師もいる!?

確かに、突き詰めていくとキリがない。

最近の調査によると、アメリカ国内106の病院に勤務する各医療従事者の電子機器全てから、バクテリアが検出されたという報告や、病院を訪れる患者の携帯電話の84%からも微生物が検出され、そのうちの12%は、院内感染につながるバクテリアだったというデータもある。

とはいえ、スクラブは患者と医療従事者を常に隣り合わせる「第一線」の服である。そんな服を着たまま外に出てしまえば、スクラブの存在意義は完全に失われることになる。

衛生問題である手前、この「スクラブ問題」がアメリカの有力紙「New York Times」をはじめとする複数のメディアで度々取り上げられていることに何の不思議もないのだが、なぜかアメリカ国民はこの問題に比較的寛容で、幾度となくこの件に関する記事が世に出ても、同調する声が医療業界を動かすまでには至らずにいる。

それを裏付けるかのように、今回話を聞くことができた一般のアメリカ人50人のうち39人が、「気持ち悪いけど、ここ(アメリカ)では日常のこと」、残りのうち2名においては「言われるまで(スクラブが汚いと)気付きもしなかった」と回答したのだ。

「スクラブで出退勤する」行為は、もう1つ大きな事実を隠し持っている。それは、そのスクラブが自宅で洗濯されているということだ。

稀に日本でもナース服を家に持ち帰って洗うことがあるというが、アメリカの学術誌「American Journal of Infection Control(AJIC)」によると、病院内や業者が洗ったスクラブがほぼ無菌状態だったのに対し、家で洗ったもの場合、44%ものバクテリアが残ったという実験結果が報告されている。

こうしてこの国の医療現場の不思議に首ばかり傾げている最中、唯一にして妙に納得できる「アメリカ人医療従事者がスクラブを外で着る理由」を発見した。

医療系情報サイト「Physician’s Weekly」で紹介されたある医師の見解によると、「男性医師の中には、自分が医者だというサインを独身女性に送るために着ている人もいるのでは」というのだ。さらに同系情報サイト「General Surgery News」には、ある医師が飛行機に搭乗した際に、その機内で目撃した“スクラブ姿”を紹介する記事が掲載されている。

アメリカの制服事情については後日詳しく綴るが、この理由によってアメリカ人にとっても、制服には何かしらの精神的影響を及ぼす力があると分かったことは、取り急ぎ今回伝えるに値することだろう。

前回述べたように、筆者は以前、しょうもない理由からニューヨークで救急車に乗る機会があったのだが、連れて行かれた病院は、その数年後、世間を震撼させたあのエボラウィルスの感染者が隔離された病院として脚光を浴びることになる。

もちろん、エボラにおいては厳戒態勢であったに違いないが、こういったアメリカの「スクラブ事情」を知ると、やはり若干背筋が寒くなる。

スクラブや“医療服”で街中を歩くということは、院内の病原菌を外にまき散らす危険性だけでなく、院外の病原菌を病棟に入れてしまう危険性もある。いらぬ感染を未然に防ぐべく、“独身女性”にではなく、病原菌にこそ、より一層の対策を講じてほしいと願うばかりだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/article?a=20171002-00151868-hbolz-int

日本でも看護婦さんとかそのまま外出てるよね?個人的にはあまり不快感ないな(;^ω^)

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