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これから高齢者の半数は預貯金ゼロになる

   

これから高齢者の半数は預貯金ゼロになる

分かれ目は「65歳で貯金1500万円」

これから公的年金の給付額はどんどん少なくなる。すると高齢世代の日々の暮らしは年金だけでは足りず、赤字を預貯金で穴埋めするしかない。ところが、その「預貯金」が足りない。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの試算によれば、2050年には85歳の約半数が「金融資産ゼロ」になるとみられている。具体的には65歳時点で1500万円以上の貯金がなければ、85歳までに底をつくという――。

2050年の公的年金は14年比2割も減少

少子高齢化による社会保障給付の抑制によって、高齢期の生活に対する不安がますます高まっている。三菱UFJリサーチ&コンサルティングが2017年3月に20~50歳代の国民に対して老後の生活について尋ねたところ(退職後の資産形成に関するアンケート)、「退職後の生活にはいくらかかるか心配である」が35.6%と最も多く、「できる限り早く退職後の生活資金の準備をすべきだ」の27.2%が次いでいる。老後の資金面での不安が大きいことが改めてわかる。こうした退職後の不安の背景には「自分自身・配偶者の医療費・介護費が多くかかること」(55.6%)、「公的年金の毎月の受給額が減少すること」(46.0%)がある。

実際、多くの国民が不安視するように、公的年金は今後、物価上昇要因を除いた実質的な受給額が減少することになる。これは「マクロ経済スライド」と呼ばれる仕組みであり、少子高齢化が進展するなかで、現役世代からの限られた年金保険料の原資を、高齢者に対して抑制して給付するものである。

2050年時点での受給額は2014年時点での受給額に比べて約2割、金額にして年間約40万円が実質的に減少する可能性がある。マクロ経済スライドは、公的年金財政を安定化させる、すなわち公的年金の収支尻を合わせるためには実に良くできた制度だが、それが国民の高齢期所得の安定化にそのままつながるわけではない。

高齢期所得減少は、公的年金の給付抑制だけが理由ではない。日本企業は以前には福利厚生の一環として従業員に対して企業年金を用意してきたが、2001年の適格退職年金の廃止や景気の低迷による経営環境の悪化等により企業年金制度の廃止が進んでいる。さらに、人生100年時代と言われるように長寿化が進むことで、高齢期の「支出」がより長く続くことになり、そのための資金確保がさらに必要になる。

金融資産はどの程度不足するのか

筆者らは、特に今後の公的年金給付額の減少が老後の生活資金確保にどの程度影響するかを計算してみた。最初に結果を示すと、公的年金給付水準が現状(2014年時点)維持された場合、85歳時点で金融資産が枯渇する世帯は36.9%であるのに対して、公的年金給付がマクロ経済スライドにより低下した水準(時期的には2050年時点)になると、それが48.8%とほぼ半数の世帯にまで上昇する可能性がある(図表1)。

ここで、「金融資産が枯渇する」とは、高齢期の平均的な支出額(すなわち消費額)を賄うのに必要な公的年金の受給額や金融資産額が足りなくなることである。枯渇を避けるには、生活を切り詰めて月々の支出額を抑制するか、取り崩し可能な金融資産を予め多く確保しておく、あるいは、別の収入源を確保するしかない。

金融資産が枯渇するプロセスを、現役期(20~50歳代)の平均年収(税引き前)が500万円である世帯を一例として少し詳しくみてみよう。この世帯の場合、年代毎の年収は30歳代492万円、40歳代567万円、50歳代597万円、60歳代前半400万円である。

では、65歳以上になったときの収入と支出はどうなるか。まず収入について、公的年金受給額は現状水準で221万円、公的年金以外の収入は60代後半には77万円あり、合わせて300万円弱の収入総額になる。なお、公的年金は上記の額が一生受給できるが、それ以外の収入は、統計上(厚生労働省「国民生活基礎調査」より算出)、平均的には70歳代前半24万円、70歳代後半13万円、80歳代前半0万円と年齢が上がるに従って減少している。

これに対して、支出額についても同じ統計上、平均的には60歳代後半318万円(収入約300万円)、70歳代前半308万円(同245万円)、70歳代後半以降259万円(同235万円)である。その結果、60歳代後半以降一貫して30~50万円程度、支出に対して収入が不足することになる。そして、この収入不足分は、それまでの金融資産を取り崩して生活するしかない。その結果、例えば65歳時点での金融資産が600万円あるとすれば、85歳前後で金融資産が枯渇することになる。

今後公的年金の給付水準が低下すると、高齢期の家計収支はさらに悪化する。先述の通り、2050年時点の給付水準は2014年時点水準に比べ年間の実質額で約40万円少ない。その結果、65歳以降の家計収支は毎年70~90万円の赤字となり、金融資産の取り崩しスピードが増し、枯渇する時期が早まる可能性が高い。

上記例と同様に65歳時点での金融資産が600万円の場合、70歳代前半で早くも金融資産が枯渇することになる。先に示した48.8%は、公的年金の給付水準が低下した想定の下で、85歳時点に金融資産がなくなる世帯の割合を国全体で示したものである。

65歳で最低1500万円の金融資産が必要

言うまでもなく、公的年金の給付水準が今後低下しても、月々の支出を賄うだけの金融資産が蓄えられていれば問題はない。今回の試算からは、今後公的年金給付水準が低下した後にも、金融資産が枯渇しないためには、65歳時点で最低1500万円程度は必要となる。

では、65歳時点での金融資産額は現状どの程度だろうか。厚生労働省「国民生活基礎調査」からは、「世帯により様々」であり、一貫した傾向が見いだしにくい。現役期全体の平均年収別に65歳時点の金融資産額をみると、確かに平均年収が低ければ、65歳時点で「貯蓄がない」世帯の割合は高くなるが、平均年収が高くなっても、金融資産額が多くなる傾向はほとんどみられない。

現役期全体の平均年収が500万円の場合、65歳時点での金融資産額について、「貯蓄がない」(13.6%)と「100万円未満」(6.2%)を合わせると約2割、さらに、「100~500万円未満」を合わせると4割弱、「500~1000万円未満」を合わせると5割強となるが、これらの割合は、現役期の平均年収が800万円と高くなってもほとんど変化しない。

多くの世帯がこれらの年収レベルにあるが、65歳時点での金融資産額の多寡は、現役期にきちんと資産形成(貯蓄)をしているかどうかにかかっていると言える。本稿の最初に紹介した20~50歳代に対するアンケート調査では、資産形成を始めたきっかけも尋ねている。

回答は「収入が増えて生活に余裕ができた時」が最も多いが、その割合は15.7%に留まる。その他には、「結婚した時」(11.9%)、「子どもができた時」(10.3%)、「初めて仕事に就いた時」(9.5%)と結果が分散しており、これといった決め手の時期はない。「老後に向けた資産形成が必要と考え、それを実行に移す」きっかけを、どう作るかが今後ますます重要になる。

高齢期の必要資金の手立ては三つしかない

将来的に公的年金の給付水準が低下し、長寿化が進む中で、高齢期の生活資金をいかに確保するか。手立ては三つしかない。

一つは、一刻も早く高齢期の生活資金としての資産形成を始めることである。筆者らの試算によれば、30歳から可処分所得(税引き後)の1割を高齢期の生活資金として資産形成すれば、85歳時点で金融資産が枯渇する世帯の割合は48.8%から31.8%に低下する(図表1)。

上記の現役期の平均年収500万円の場合、30歳からの1割の資産形成により、65歳時点での金融資産は約1700万円に達し、その結果、金融資産が枯渇するのは90歳頃まで延びることになる(図表2)。50歳からでも遅くはない。65歳になるまでは15年間あり、金融資産の上乗せ可能額は決して小さくない。実際には子育てや教育など、目の前の支出が第一になることがほとんどだろうが、将来の生活のための資金を少しでも確保することが重要である。

二つ目は、退職金や企業年金を高齢期の生活資金に回すことである。長い間苦労して働いたご褒美として退職金の一部を海外旅行などに使いたいと考える人は多いだろうが、将来に残しておく分をよく検討した上で、計画的に使うことが必要である。

最後の三つ目は、できる限り長く働き就労収入を得ることである。高齢期に収入があれば、その分、金融資産の取り崩しを減らせる。例えば、65~74歳に年間100万円の追加的な世帯収入があると、85歳時点で金融資産が枯渇する世帯の割合は、前述の48.8%から31.4%まで低下する。これに、先の30歳からの可処分所得の1割の資産形成を加えると、この割合は14.8%まで低下する(図表1)。上記の現役期の平均年収500万円の場合、30歳からの1割の資産形成と74歳までの追加的な年間100万円の就労収入により、金融資産が枯渇することはほとんど考えにくい状況となる(図表2)。

公的年金の給付水準の低下はほぼ確実に起きる未来である。長寿化もほぼ確実に生じるだろう。そうした将来確実に生じることに対して、今後の収入や支出には絶えず不確実性が伴うが、その中で、いかに確実な部分を高めるか。そのための資金戦略、仕事戦略を立て実行すれば、高齢期の生活は相当乗り切れるというのが、試算から得られたメッセージである。

http://president.jp/articles/-/25245

 

本来なら年金不安、老後不安を解消してみんなが安心してお金使えるようにしなきゃならんのだろうけどなぁ…(;´Д`)

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