【水泳】飛び込みの坂井、汗をかくと痛み『コリン性じんましん』明確な治療法ない病を抱えて五輪目指す

【プールサイド】汗がかけない 病抱える飛び込みの坂井 五輪内定1号目指す

じわりと汗がにじむ、6月中旬の相模原グリーンプール。飛び込み日本代表の26歳、坂井丞(しょう、ミキハウス)は、アップもそこそこにプールでの飛び込み練習に取り掛かった。

この日は、7月12日に韓国・光州で開幕する水泳世界選手権へ向け、寺内健(38、ミキハウス)とともに男子シンクロ板飛び込みの合同練習が行われた。3メートルの高さから2人がそろって飛び込み、難度や同調性を競う種目だ。しかし、寺内とともに約1時間ほど踏み切りのタイミングを合わせたところで、予定されていた約3時間の練習を早々に切り上げた。

やむを得ない事情がある。坂井は2010年ごろから、コリン性じんましんに悩まされてきた。入浴や運動などで体が温まったり、発汗したりした際に「針で刺されたようなチクチクした痛み」が生じる病で、明確な治療法が確立されていない。

坂井の場合は例年、冬場に症状が現れ、春頃に治まることが多かったが、今年は4月からの大会シーズンに入っても症状が治まらない。胸や背中、後頭部などを中心に痛みが走り、「全然練習に集中できない。プール練習も1時間くらいしかできない」という状態が続いている。

悪化の原因は判明しておらず、これまで数種類試した薬も目に見える効果は得られていない。ドーピングに細心の注意を払わなければならないアスリートゆえ、使える薬も限られる。針きゅう治療などあらゆる手立てを使って改善を試みているが、外出時も日光に当たらないよう意識するなどストレスを抱える日々が続く。

何よりも悔しいのが、昨年から定着してきていた筋力が低下したことという。汗をかけないため、ランニングやウェイトトレーニングもできない。「夏になったら治ると思っているが、夏もこのままだったらどうしよう」。不安が胸を覆うこともある。

それでも、前向きさを失わないのが坂井の強みでもある。「練習時間が短いからこそ集中してできる。あれもこれもじゃなくて厳選してできる」。メダル獲得を目指す2020年東京五輪へ向け、立ち止まっている時間はない。「汗をかかないためには競技を辞めるしかないけど、でも、競技を辞めて働くとしても結局汗はかくだろうし。しようがないですね」と逆境も明るく笑い飛ばす。

世界選手権では、寺内とともに臨む男子シンクロ板飛び込みで8位以内に入れば、個人種目での東京五輪内定第一号となる可能性がある。加えて相方の寺内は東京五輪の出場が決まれば、夏季五輪最多タイとなる6度目の出場となる。

期待を背負う26歳は「東京五輪でメダルを取ることが最終目標。そのためにも、8位に入賞することを大前提においてやっていきたい。(内定すれば)第1号だし、(寺内の)最多出場もかかっている。足を引っ張らないように頑張ります」。冗談めいた言葉の中に、強い意志をにじませた。

https://www.sankei.com/premium/news/190703/prm1907030009-n1.html

sakamobi
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