健康保険組合、高齢者医療費の増加に耐えきれず解散へ…一人あたりの平均保険料は年間48万円・10年間で10万円負担増

健康保険組合、高齢者医療費の増加に耐えきれず解散へ…一人あたりの平均保険料は年間48万円・10年間で10万円負担増

健保組合2割「解散予備軍」
高齢者医療費の負担増大 税投入、膨らむ恐れ

大企業の社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。全国約1400組合の2018年度予算によると、平均の保険料率は年収の約9.2%(労使折半)と11年連続で上がる。2割強の300超は、国所管の全国健康保険協会(協会けんぽ)の保険料率以上になり、存続の利点が少ない「解散予備軍」だ。高齢者の医療費を支える負担が重いのが原因。健保組合が国所管に移れば、税金で支える対象者は増える。高齢者の医療支出の抑制などで現役世代の負担に歯止めをかけることが課題になっている。

健保組合は企業や団体などの単位で、従業員とその家族の健康保険(総合・経済面きょうのことば)を運営している。大企業が単独で設けたり、同業の中小企業が集まって設立したりしており、全国1389組合の加入者は約3千万人に上る。

だが、高齢者の医療費を支えるために健保組合の加入者以外への拠出金の負担が年々重くなっている。18年度は保険料収入(総額8兆1千億円)のうち4割超が拠出金に回る見通しだ。この10年で1兆1千億円も増えた。負担増をまかなうために各健保は保険料率の引き上げを迫られている。

HOYAが8.6%から8.9%に、協和発酵キリンは7.6%から8.5%へと4年ぶりに引き上げた。18年度の平均料率は約9.2%となり、前年度比で0.05ポイントほど上がった。1人あたりの平均保険料は、年間約48万6千円となり、10年で10万円超も増えた。

増える支出を保険料でまかないきれず、収支が赤字の組合も多い。18年度は6割の組合が赤字を見込み、赤字合計は1400億円弱に上る。

中小企業の従業員らを対象にする協会けんぽの保険料率は、平均で10%。健保組合の保険料率がこの水準を上回った場合、解散して協会けんぽに加入者を移したほうが労使の保険料負担は軽くなる。10%以上の健保組合は、いつ解散してもおかしくない状態だ。

実際、50万人の加入者を抱え全国最大規模の人材派遣健保や、16万人の日生協健保が解散の検討に入っている。

18年度は、解散予備軍といえる健保組合は310を超えた。ここ数年は加入者の年収が低い組合の拠出金を減らす救済措置がとられていたが、解散予備軍は17年度とほぼ変わらなかった。救済の効果を打ち消すほどに拠出金が増えている。

独立採算の健保組合とは異なり、協会けんぽには年間1兆円規模の税金が投入されている。健保の解散で協会けんぽの加入者が増えれば、税金で支える加入者はそれだけ増える。解散を検討する人材派遣と日生協の加入者が合流するだけで、税金は200億円規模で増えるとの試算もある。

健保組合が減ると健康診断が実施されなくなる懸念もある。メタボリックシンドロームに着目した特定検診を実施する健保組合は7割を超すのに対し、協会けんぽは5割に満たない。病気を早く発見できなくなれば、中長期的に医療費を押し上げかねない。

高齢者医療の財源の一部を現役の働き手と事業主が負担する健康保険料から取るやり方は、限界にきている。例えば、高齢者の医療費を抑えるだけでなく、現役並みの年収を稼ぐ人には病院窓口での負担や保険料を引き上げるなどで、現役の負担増を抑える必要があるとも指摘されている。

健保組合2割「解散予備軍」: 日本経済新聞
大企業の社員らが入る健康保険組合の財政が悪化している。全国約1400組合の2018年度予算によると、平均の保険料率は年収の約9.2%(労使折半)と11年連続で上がる。

 

国民皆保険の崩壊も近いな…(;´Д`)

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