日本を選んだインド「高速鉄道」抗議活動に直面 補償不足に説明不足…住民5万人が反対デモ

日本を選んだインド「高速鉄道」抗議活動に直面 補償不足に説明不足…住民5万人が反対デモ

 日本の新幹線方式が採用されるインド初の高速鉄道建設計画が反対運動に直面している。用地取得をめぐり、説明や補償不足から、インド西部マハラシュトラ州パラーなどでは住民が抗議デモを展開。インド高速鉄道公社は「今年中の用地買収は可能」と強調するが微妙な情勢だ。インド側が開業目標を前倒しした影響もあり、事業の先行きを不安視する声も上がる。

■「説明不足」に募る怒り

「150人の子供が通う学校が、線路でつぶされようとしている」

パラー中心部に位置するマーン村。バリヤ・ドウラ村長(43)は、校舎を指さして語気を強めた。

マーン村は高速鉄道の建設ルートに位置し、計画では村唯一の小学校が壊されることになる。学校を失えば子供たちは15キロ先まで通わなくてはならない。政府側は新しい学校の建設について、5万ルピー(約8万円)の補助以外は「地元負担」と提示。「とてもまかなえる金額ではない」とドウラ氏は頭を抱える。

近隣にはチューインガムの原料となる果実「サポジラ」の農家が軒を連ねる。政府は「2014年の市場価格の数倍」で土地を買い取ると申し入れたが、農地を失う不安は大きい。「この辺の土地は活発な取引がなく、土地の値段など誰も知らない。市場価格とやらを決めるのも政府だ」と、ドウラ氏の憤りは高まるばかりだ。パラーでは補償や説明に不満を抱いた農民らが5月、5万人以上が参加する抗議デモを行った。

同州では、インドの有力企業グループ「ゴドレジ」も、予定する開発に支障が出るとして、3・5ヘクタールの土地売却を拒否。線路の敷設先変更を求め、裁判所に訴えを起こした。

■開業「1年前倒し」

抗議活動は一枚岩ではなく、ある村は医師派遣を要求し、別の村は街灯と池の転落防止柵を求めるなど、条件闘争の側面も強い。高速鉄道公社広報のダナンジャイ・クマール氏は条件をつり上げる“扇動者”がおり、「事態をより複雑にしている」と指摘する。

高速鉄道公社によると、一連の反対にもかかわらず、今年中に用地取得は終わる見通しだという。国有地の一部で高架橋工事の入札も始まり、クマール氏は「計画は順調。粘り強く説明すれば反発も解消される」と楽観する。技術協力を行う日本の国土交通省や、円借款を担当する国際協力機構(JICA)は「用地取得はインド側の実施事項」として静観する姿勢だ。

ただ、別のハードルとなりそうなのが計画の前倒しだ。日印は当初、23年開業で合意したが、インド側は22年8月を目指す方針を明らかにした。22年が独立75年の節目に当たるためで、クマール氏は「首相の夢を実現するため懸命に取り組んでいる」とコメント。予定繰り上げはモディ首相の意向であることがうかがえる。

高速鉄道関係者によると、反対運動に対応するため、ここに来て駅の場所を移動させる案も浮上。計画には今後も紆余(うよ)曲折が予想される。外交筋は「本当に間に合うのかという懸念がある。22年にまずは部分開通を目指すのではないか」と話している。

日本支援のインド高速鉄道が抗議活動に直面 補償不足に説明不足…住民5万人がデモ 計画前倒しで「本当に間に合うのか」
日本の新幹線方式が採用されるインド初の高速鉄道建設計画が反対運動に直面している。用地取得をめぐり、説明や補償不足から、インド西部マハラシュトラ州パラーなどでは住…

 

学校をつぶすとかちょっと酷いな…(;´Д`)

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