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ホッケ、20年前の漁獲量の4%まで落ち込み、廃業する漁師も出てくる いったい、なぜ・・・

   

日本の漁業は、衰退の一途を辿っている。日本漁業の生産性は低く、燃油の国際価格が上がるたびに、公的資金による燃油代の補填をもとめるデモが行われている。漁業で生計を立てるのが困難なことから、新規就業者が途絶えた状態が何十年も続き、その結果として、漁村の限界集落化と高齢化が進んでいる。

■2025年までに、世界の漁獲量は17.4%増加する

国内だけを見ていると、漁業に未来は無いように見えるが、海外に目を向けると別の現実が見えてくる。国際連合食糧農業機関(FAO)が、世界各国の漁業生産の将来予測をしたところ、現在から2025年までに、世界の漁獲量は17.4%増加するという結果が得られた。世界の漁業は、現在も成長を続けて、儲かる産業になっているのである。FAOの予測では、日本の漁獲量は13.4%減少する見込みで、主要漁業国の中で最低の成長率であった。

日本の漁業が衰退するのは、他の先進国では当たり前のように導入されている漁獲規制(漁獲上限の設定や産卵場の保護など)が行われていないために、日本近海の魚が減少しているからである。ウナギやマグロが消えるといわれているが、我々にとって身近だった魚も減少し、輸入魚に置き換わっているのだ。

例えば、ホッケの漁獲量は1998年をピークにほぼ直線的に減少し、現在は当時の4%まで落ち込んでいる。漁獲量が減少したことから、かつては1kgあたり30円前後だった浜値(水揚げ港での売値)は、1kgあたり244円へと高騰した。あの安くて大きかったホッケは、今や高級魚になってしまったのだ。

漁に出てもホッケが獲れないので、漁業者の廃業が相次いでいる。他の先進国なら、とっくに禁漁にするような状態にもかかわらず、今もなお漁業者の自主規制任せで、公的機関の規制は行われていない。十分な漁獲規制が導入されないまま、ホッケの資源は危機的な水準まで減ってしまったのだ。国産のホッケが入手困難になったことから、ロシアやアラスカからシマホッケが輸入されるようになったのだが、シマホッケの価格が上がったことから、ホッケ自体が居酒屋から姿を消しつつある。

国産魚が入手困難になり、輸入魚に依存しているのはホッケばかりではない。日本周辺のサバも乱獲によって激減してしまった。現在も、日本のサバの大半は、食用サイズ前に漁獲されて、養殖マグロの餌になっている。食用サイズの国産サバが安定供給できないので、スーパーマーケットに行くとノルウェーサバが並んでいる。昔は日本中で獲れたアジもオランダからの輸入に支えられている。

■輸入魚は安くはない

バブル期までは、安い輸入魚がいくらでも手に入ったので、国産魚が減少しても、それを輸入で補うことができた。国産から外国産に切り替わっただけで、スーパーマーケットの鮮魚コーナーには、魚が潤沢に並び、消費者レベルでは資源の減少は実感できなかっただろう。最近は、世界的な需要の高まりによって、水産物の国際価格が高騰し、日本に輸入魚が入ってきづらくなっている。水産物の国際価格(総貿易金額/総貿易重量)は、2001年の約2.1米ドル/kgから、2013年の約3.8米ドル/kgとほぼ倍増した。魚価が高騰したことから、日本の水産物の輸入量は同時期に4割も減少した。皮肉なことに、輸入魚を買えなくなったために、近年は水産物の自給率が上昇している。

TPPで関税を廃止したら日本に安い輸入魚が押し寄せて、国内漁業が大打撃を受けることを危惧する声もあるようだが杞憂である。もともと漁業が輸出産業であったために、水産物の関税は7%程度と低く抑えられている。世界的な水産物の価格上昇を考えれば、関税がなくなったところで焼け石に水であり、輸入の減少は今後も続くだろう。

国産・輸入共に供給が減少した結果、日本でも水産物の価格は上昇し、高嶺の花になりつつある。2010年に肉と魚の単価が逆転し、現在は魚の方が高い状態が維持されている。日本人一人当たりの水産物消費量(kg/年)は2001年の69.2kg/年をピークに2014年には49.4kg/年に減少している。わずか13年の間に3割も減少したのだ。

■中国政府は、沿岸の漁獲規制を強化する方針

右肩下がりの日本漁業に追い打ちをかけているのが、コストの低い中国・台湾漁船の進出である。1980年代から、経済発展によってコストが高くなった日本漁船は、海外漁場から次々に撤退した。そこに進出してきたのが、中国、台湾、韓国などの国々である。今ではこれらの国の漁船が日本の排他的経済水域(EEZ)のすぐ外まで押し寄せている。戦後しばらく日本は外国の漁場に一方的に攻めていく立場であったが、現在は外国漁船から自国の漁場を攻められる立場に変わったのである。

中国政府は、沿岸の水産資源が減少したことから、漁獲規制を強化する方針を示している。中国沿岸での規制が強化されると、あぶれた漁船が日本周辺海域に大挙してくる可能性がある。まさに内憂外患という状況である。

魚がいなくなれば漁業という産業は成り立たない。日本のEEZ内で完結する資源については、国内の漁獲規制をすることで、水産資源を回復させる必要がある。サバやサンマのように、日本のEEZで完結しない資源については、他の利用国と連携して、国際的な漁獲規制の枠組みを構築すべきである。

日本では漁獲規制というと、「魚が食べられなくなる」とか「魚が高くなる」といった、ネガティブなイメージがあるが、そうではない。ホッケやクロマグロの漁獲量が減少して、魚価が高騰しているのは、厳しすぎる規制が原因ではない。漁獲規制がないまま、獲り尽くしてしまったからである。漁業が利益を生み、我々が魚を食べ続けるためには、適切な規制が必要なのだ。

https://news.nifty.com/article/item/neta/12113-059741/

 

ウナギにマグロにホッケまで…(;´Д`)トホホ

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