「性交経験ゼロ」の若者が増えている…「性の不活発化」とどう向き合うべきか

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「性交経験ゼロ」の若者が増えている…「性の不活発化」とどう向き合うべきか

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1974年から6年ごとに日本製教育協会が実施している「青少年の性行動全国調査」の最新2017年(第8回)調査の結果と近年の性教育について社会学的に分析した林雄亮・石川由香里・加藤秀一編『若者の性の現在地』(勁草書房)が刊行された。

調査開始以来、高校生・大学生の性行動経験率はおおよそ徐々に活発化し続けていき2005年に男女ともにピークになる(高校生男子26.6%、同女子30.3%、大学生男子63.0%、同女子62.2%)。しかし、2011年調査では高校生、大学生ともに大きく低下し、2017年調査ではさらに低下した(高校生男子13.6%、同女子19.3%、大学生男子47.0%、同女子36.7%)。

これらをどう捉えればいいのか、また、どのような性教育が望ましいのか。林雄亮・武蔵大学社会学部教授に訊いた。

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行動だけでなくイメージにおいても消極化が起こっている
――2017年調査では性行動の経験率だけでなく、「今までに性的なことに関心をもった経験があるか」への回答でも中高生で低下が著しく、また、「交際相手がいる者」の割合も大きく低下しています(2005年調査では「交際相手あり」が高校生男子21.8%、同女子29.5%。大学生男子38.2%、同女子46.0%。対して2017年調査では高校生男子15.8%、同女子23.8%。大学生男子26.1%、同女子30.5%)。林先生がこれらの調査結果に関して特に伝えたいことはどういった部分でしょうか。

林 性行動経験率の話だけが一人歩きしがちですが、実は全体が消極化したわけではなく、性行動の分極化(二極化)が進んでおり、一部の層においてはむしろ性行動の低年齢化が進行してもいます。消極的な人自体は以前からいましたから「バランスが変わってきた」と捉えるほうが正確です。

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性交経験という実際のアクションだけでなく、心理的な側面で「性に関心がない」という意思表示をする若者が増え(中学生男子では50.6%、同女子では68.4%)、また、性に対して「汚い」「暗い」といった否定的なイメージも強くなってきています。

子どもたちがそう思うということは、今後の性行動の不活発化をさらに進め、未婚化・晩婚化とも間接的につながってくるだろうと思われます。性被害・性犯罪の報道は体感的に言ってかつてよりも増えていますから、これが若年世代の性への印象をよくないものにしている一因という可能性もあります。

性交経験の割合がなぜ下がったかについて様々な仮説が飛び交っていますが、確たることは言えません。たとえば「スマホの影響だ」と巷で言われます。可能性は否定しないものの、測定するのは難しい。人々がスマホで何をしていて、それがどう性行動に影響があるのかを実証した人は誰もいません。

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――安易な推論に飛びつくことには禁欲的であるべきだと。

林 かつて携帯電話(フィーチャーフォン)が出て来たときには不活発化しなかったわけです。もちろん携帯にはなかったスマホの特徴としてモバイルインターネットの爆発的な普及がありますが、実証的にはなんとも言えません。なお性の消極化は日本だけではなく、アメリカや韓国などでも指摘されており、日本特有の現象ではないことも合わせて考える必要があります。

――林先生は今回の本に寄せた論文で、高校生・大学生の交際率低下がその後の20代の交際率低下にもつながっていると書いていましたよね。

林 大学生までの交際経験がゼロの人が増え、大人になってもゼロの人が増えています。こちらも原因を容易に特定できるものではありません。ただ学生を見ていると、大学の授業で出席が厳格化されたことをはじめ、私たちが学生だったころよりもはるかに忙しくなっているし、就活するにあたっても求められることが増えている印象があり、交際の優先度が相対的に下がるのも当然かなという気がしています。

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かつては「性の乱れ」を、いまは「性の不活発化」が問題視する大人たち
――2005年調査までの交際率や性行率が上昇していたときは「若者の性の乱れは問題だ」と言われ、その後、性行動が不活発になっていったら「さらなる少子化につながる問題だ」と言われ、世の中勝手だなと思いましたが……。

林 私は若者の性行動に対して何が良いか悪いかという発想をしないのですが、良い/悪いを語りたい方、介入したがる方はたくさんいらっしゃいますよね。

個人の選択としての性の行動の不活発化が良いか悪いかは、世間や大人がとやかく言うようなことではありません。少子化が進むことはまずいと捉えて「再び性行動を活発化させればいい」といった話をする以前に、そもそも結婚や子育てが不安なく当たり前にできる環境を社会的に整えることのほうが政治の役割としては重要だろうとも思います。

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性の乱れに関してはかつて政府主導で問題視されたこともあり、今も根強く性教育バッシングがあります。ただ、大規模データを見ているかぎり、全体としての性行動の活発化と逸脱的な性行動、不道徳な行動のあいだに相関があると示されたことはありません。性行動が活発化しても恋愛に基づく性行動が増えるだけで、社会秩序に害悪をもたらすことはないだろうと考えられます。

1990年代には女子高生が下着や制服を売り、援助交際することが「言説」として目立ちましたが、それもメディアがフォーカスしただけであって、当時も決して一般的な10代の性行動ではありませんでした。

一方で、今この数年で若者、青少年の性をめぐる環境は様変わりしています。性交同意年齢の引き上げの議論、デートDVの存在や相談窓口の周知、性的マイノリティへの配慮などが一般に広まった。これらは良いことだと思っています。

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性教育の成果が出るまでには時間がかかる
――それらを含めて学んでもらうための性教育についても書かれていますが、2017年調査では、学校での性教育が「役立つ」と評価している若者は中高大いずれも5割以下で性知識は定着しておらず、中学校では避妊教育も行われていない、と本にありました。性教育のNPOが外部講師として性教育に携わる場合も、教育効果を考えると実践的なほうが望ましいが「知識」としてのみ伝えることを要求される、と。

林 きちんとした性教育を本当はやりたい人は教師の中にもたくさんいるのですが、学校は文科省の方針通りにしか動けません。そこで外部講師を使う、という苦肉の策が行われています。そうした人によって行われる比較的新しい内容の性教育の効果が子どもたちに身につくようになるには、もう少し時間がかかるだろうと思います。また、家庭での性教育の必要性も認識されてきており、一昔前と比べれば学校任せではなくお家でも性教育をしようという人は増えました。

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性教育に関しては「寝た子を起こすな」派と「人権教育としてきちんと取り組むべき」派が二極化している現状があります。前者の方々は性教育=セックス教育だとみなし、性行為をどう行うかばかり扱う、あるいは避妊教育だという発想が強い。

ところが海外の性教育のテキストを見ると――日本では理科や保健体育などにちりばめられているだけでそもそもテキストが存在しないのですが――「人権教育」として未就学児からガイドラインに基づいて実施されています。そこでは「多様性を認める」「お互いの好き嫌い、尊厳を大事にしましょう」という話から始まります。それが引いては性においても相手を尊重して性加害者になることを割け、また、自らを守ることにもつながるわけであって、セックスのやり方を教えることが主眼ではありません。

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国際的にスタンダードな性教育と学習指導要領との乖離が非常に大きいんですね。加えて今の中高生の保護者が受けた性教育は今よりもずっと断片的だったと思いますし、そのさらに上の世代は性教育どころか性的マイノリティを病気扱いするような時代に育っていましたので、価値観が今の時代、今の若者とあまりに異なります。学校に外部講師として行く主に若い世代の方が、リアルな現場の声を伝えることで、そのギャップを埋めることが期待されています。

――学校現場や保護者に知ってもらいたいこと、取り組んでもらいたいことは。

林 中学・高校では学校によって性教育のありかたが相当に違うことがデータからわかっています。関心がある先生がいるとちゃんとしたものになる一方で、そうでないと適当にやって終わってしまう。ですから最低限、あるていど統一化したプログラムがあったほうがいいかもしれません。

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また、家庭での性教育、親の悩みは家庭の外に出づらいですが、相談できる場や機会が作れることが望ましいと思います。ただ、関心のある家庭が個別に集まって情報交換するのもいいのですが、結局、すべての子どもたちに情報が行き渡らないと性被害・性加害はなくなりません。

その点、学校が重要なアクターになりえます。もちろん学校で情報交換の場をダイレクトに持つのは難しいにしても、たとえば学級通信などに性教育についてひとことふたこと情報を添えるだけでも、性教育の底上げにつながり、ネットワーク形成につながるかもしれません。今ある制度の活用で、十分に機能するしくみの構築は可能だと思っています。

「性交経験ゼロ」の若者が増えている…「性の不活発化」とどう向き合うべきか(現代ビジネス) - Yahoo!ニュース
 1974年から6年ごとに日本製教育協会が実施している「青少年の性行動全国調査」の最新2017年(第8回)調査の結果と近年の性教育について社会学的に分析した林雄亮・石川由香里・加藤秀一編『若者の性の
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sakamobi
sakamobi

これもう童貞税を導入するしかないやろ😰😰😰

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