こいつ電車の中でビケ剃ってやがるバシャァ!→全米が泣いた。

 悪意も善意も大幅に増幅するソーシャルメディア……アンソニー・トーレスさん(56)は、それを身をもって体験した。

米紙ワシントンポスト(9月18日付電子版)などによると、アンソニーさんは何回か病気を患い、大けがをする不運が重なり、ホームレスになってしまった。いくつかの街を路上や橋の下で過ごし、ニューヨークのマンハッタンにたどり着いた。そこで強盗に遭うなどして、いよいよ生きていけなくなり、アンソニーさんはきょうだいに電話をかけ、助けを求めた。

アンソニーさんはお金を送ってもらい、ニュージャージー州アトコに住む別のきょうだいの家に身を寄せることに。

9月13日夜、アンソニーさんはニューヨーク市のペンシルベニア駅からアトコに向かう列車に乗った。何日かシャワーを浴びておらず、無精ヒゲが伸びていた。

「きょうだいや、その家族に不快な思いをさせたくない……」

そう考え、何とか身ぎれいにしたいと思ったアンソニーさんは、カミソリとクリームを買い、他人に迷惑がかからないように、車窓を鏡にヒゲをそり始めた。ところが、同じ車両に乗っていた乗客の1人が、この様子をスマホで撮影し、動画をツイッターに投稿したのだ。この動画は急拡散し、数百万回も再生された。

そして事情を知らない人びとの反応は残酷だった。

「無精すぎる」「まるで動物」「下品な人」などの罵声がツイッターに飛び交った。

ところが3日ほどすると“潮目”が変わった。AP通信などが騒ぎを知り、アンソニーさんの不幸な経歴と、列車内でヒゲをそっていた事情を報道。「私の事情を知らずに、批判しないでください」というアンソニーさんの声を伝えた。

あれほどアンソニーさんをバッシングしていた人びとの反応は、同情へと変わった。

ある男性はAP通信の記事にリンクを張り、「私と同じように、列車内でヒゲをそる男の動画をシェアしたなら、この記事を読んでくれ。あらゆるものを急拡散するバカな動画におとしめてしまうわれわれの文化を反省すべきだ」とツイート。

最初に動画を投稿した男性も「誰かを傷つけるつもりはありませんでした」と謝罪の言葉を投稿した。

さらにジョーダン・ウフルさんという男性が、ソーシャルファンディング「GoFundMe」にアンソニーさんを支援するサイトを設立。アンソニーさんを嘲笑した人びとが謝罪の意味で次々に寄付を行ったこともあり、10日ほどで、1600人以上から4万2000ドル(約477万円)近く集まった。

また、仕事のオファーもいくつか寄せられた。こちらのほうは残念ながら、身体の障害のため辞退せざるを得なかったという。

圧倒的な人びとの同情と好意に、アンソニーさんはワシントンポストに「すごく幸せです。生まれ変わったような気分です」と語った。

アンソニーさんは、今はきょうだいの家で世話になっているが、近い将来、寄付金でトレーラーハウスを買い、二度とホームレスにならずに済むようにしたいと計画しているそうだ。

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SNSで繰り返される“晒し行為”。一見マナー違反に見える行為にもどんな事情が隠されているか分からないし、盗撮者には知る由もない。深く考えさせられるね。

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