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グーグルが2000万匹もの蚊を放出 ジカ熱などの根絶実験始まる

   

蚊には蚊を。2,000万匹の蚊を放して蚊を減らす計画をGoogleが米国で実施

【びっくりサイエンス】

米検索大手グーグルの関係会社が、カリフォルニア州中部にあるフレズノの市街地で7月中旬から車を使って大量の蚊を放ち続けている。計画では、冬までに2000万匹が放出される予定だ。特別な処理で“不妊”にした雄の蚊を利用し、生息している蚊を激減させるのがねらい。バイオテクノロジーを使い環境をコントロールする壮大な実験が始まった。

減らすターゲットとなっているのはジカウイルスの媒介で知られているネッタイシマカだ。日本では2016年のリオ五輪をきっかけに広く知られるようになったが、厚生労働省によるとジカウイルスに感染しても約8割は症状がなく、残りの2割は2~7日後に微熱や関節痛など比較的軽度のジカ熱を発症する。本人は深刻なことにはなりにくいが、妊婦が感染すると胎児に「小頭症」と呼ばれる先天性異常が起きる可能性が高まる。アフリカ原産とされるネッタイシマカだが、13年にカリフォルニア州のセントラルバレーで見つかり、その後、フレズノ郡で広がった。

■利己的遺伝因子を利用

放出しているのはボルバキアという病原菌に感染させられている雄だけだ。蚊の雄は刺さないのでヒトや動物に対しての直接的な害はない。ボルバキア菌は、宿主動物の生殖に関わる機能を制御して自らの繁栄に利用するいわゆる“利己的遺伝因子”をもっていることで知られている。ネッタイシマカの場合は、感染した雄と感染していない雌が生んだ卵では「細胞質不和合」という現象が生じて孵化しない。これも結果的に感染した雌が多くの感染した子孫を残し、ボルバキア自身が繁栄するという“企み”なのだが、実験ではこれを利用する。

プロジェクトを担当しているのは、グーグルの持ち株会社、アルファベットの子会社で生命科学技術を担当する「ベリリー・ライフサイエンシズ」。昨年10月に、蚊を大量に育てる技術開発の成功を公表している。

ちょっとした水たまりを見つけて繁殖する蚊を育てるのはさほど難しくない。問題は、雄と雌を自動で高速に判別することだが、ベリリーではこの方法を編み出し、従来の25倍以上に放出速度が高まり、大量放出が現実的なものにできたという。

約1・2平方キロメートルの広さの2つの場所で、20週間にわたって放出し、これによる成虫の生息密度や孵化率を観測する。急激な減少を見込んでいるという。

この実験が成功すれば、世界的に問題になっているジカ熱、デング熱、チクングニア熱など蚊が媒介する感染症の流行を防ぐことに使えると同社の研究者らは興奮しているという。

■天然の技術

病原菌、大量放出と聞くと、非常に危険な技術だという印象を受けるかもしれない。しかし、1950年代にさかのぼる「不妊虫放飼法」の歴史の中では最先端で最も期待できるものといってよいだろう。

50年当時の米国では「ラセンウジバエ」と呼ばれる、幼虫時に生きている家畜の肉を食い荒らす害虫が侵入し、問題となっていた。昆虫学者により、さなぎの時期に強い放射線を当てることで精子に卵を孵化させる能力がなくなる不妊化に成功すると、同分野の研究が盛んになった。カリフォルニア州ではチチュウカイミバエの駆除にも利用され、日本の沖縄でも作物につく害虫の駆除などに用いられていた。

しかし、ベリリーによると放射線を照射して不妊化する方法では、交配能力も低下してしまい、1匹当たりの効果が低かったという。一方、天然に存在するボルバキア菌を使った方法は、蚊の交配能力は維持しながら不妊にすると説明する。

また、英国のオキシテック社では遺伝子組み換えを施したネッタイシマカを開発しており、オランダの国立公衆衛生環境研究所は先月、カリブ海に浮かぶ同国領のサバ島で同社の蚊を放出すると発表している。この蚊も雄で、交配によって生まれた次世代は成体になる前に死ぬ自己制限遺伝子を受け継ぐ。

ただ、遺伝子組み換え動物の利用については、日本や欧州主要国などが締約している国際的なカルタヘナ法があり、厳しい規制が敷かれている。一般社会では、もともと自然界にあるものを組み合わせた手法の方が受け入れやすいと考えられる。

さらには、農薬が他の種にも影響を与えるのに対し、不妊昆虫は同種間でしか交配しないので、見方によっては、農薬よりも生態系にやさしいということもできる。

■日本に侵入?

ただし、この不妊昆虫は、食物連鎖など生態系にも少なからず影響を与え、新たな脅威を招く可能性もないわけではない。もともといなかった外来種の排除であったり、人の生死に関わる有害な病気を根絶するなどの目的に限って許し、乱用は慎むべきだ。

日本では今のところネッタイシマカは定着していないが、地球温暖化などが進み、侵入してくるようになれば、この技術にお世話になるかもしれない。また、厚生労働省によると、もともと日本の本州以南に生息するヒトスジシマカもジカ熱やデング熱などを媒介することが確認されており、局所的にヒトスジシマカを駆除するなどにも使うことになるかもしれない。ベリリーの実験は人ごとではないのだ。

https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170812-00000519-san-sctch

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蚊を絶滅させた結果、次に何が起こるかって想像するとちょっと怖い。確実に起こるのはさらなる人口増加だけど(;・∀・)

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