コーヒー市場の新たな激戦、「缶からペットボトルへ」の流れが加速

コーヒー市場の新たな激戦、「缶からペットボトルへ」の流れが加速

ペットボトルコーヒーが日本マーケティング大賞に

日本マーケティング協会は2018年4月26日、優れたマーケティング活動を表彰する第10回「日本マーケティング大賞」に、ペットボトル入りのコーヒー『CRAFT BOSS(クラフトボス)』(サントリー食品インターナショナル)を選んだと発表しました。

『クラフトボス』は2017年3月、缶コーヒー『ボス』の新たなラインナップとして誕生しました。大きな特長は「缶コーヒーの『ボス』」というキャッチフレーズで知られるにもかかわらず、缶ではなくペットボトル容器で発売されたことです。

ブランドコンセプトである「働く人の相棒」を踏襲しながらも、「缶コーヒーやボトル缶コーヒーに馴染みがない“第3世代”の働く人に向けた新シリーズ」と表現。さらに、中身についても、「時間をかけて少しずつ飲むことを想定し、満足感がありながらも、すっきり飲み続けられる味わいを実現」したとしていました。

缶コーヒーのセオリーを覆すコンセプトで大ヒット

実は缶コーヒーをよく飲むのは、建設業・製造業などやトラック運転手など、体を使う労働者です。缶コーヒーのシェアは、日本コカ・コーラの『GEORGIA(ジョージア)』が首位で、サントリーの『ボス』、アサヒ飲料の『ワンダ』などが続きます。

各社のテレビCMを見ても、「働く人」を意識していることがわかります。特に『ジョージア』は、建設作業員、トラック運転手などが登場するのが定番になっています。

従来、飲料メーカーではどこもペットボトルのコーヒーには消極的でした。なぜなら、缶コーヒーのヘビーユーザーである体を使う労働者は、休憩時間などの短い時間にコーヒーの濃いコクを楽しみたいという人がほとんどだからです。

『クラフトボス』は、それに対して、「時間をかけて少しずつ飲む、後味もすっきり」といった、まさにセオリーとは真逆のコンセプトの商品でした。ところが発売開始すると、『クラフトボス』は当初の予想を上回る売れ行きになりました。

2017年4月に発売を開始しましたが、6~8月には主要なコンビニエンスストアでのコーヒー製品の販売で首位を獲得。さらに6月に発売した『クラフトボス ラテ』は販売量が想定を大きく超え、出荷を一時停止するほどになりました。それにもかかわらず、2017年末までの9か月で、シリーズの販売数量は1000万ケース(2億4000万本)を突破しています。

競合企業も次々参入、激戦が始まる

『クラフトボス』が成功した大きなポイントは、従来の体を使う労働者とは異なる新たな層を取り込んだことです。「働く人に向けた」としながらも、CMなどではIT企業などで働くデスクワーカーを意識。若い人や女性など、これまであまりコーヒーを飲まなかった層の獲得に成功しました。ガラス瓶のようにも見えるおしゃれなボトルの写真をインスタグラムなどSNSに投稿する女性も少なくありませんでした。

大ヒットを受けて、サントリー食品インターナショナルでは、2018年の生産を1.5倍以上に引き上げる計画です。ただし、同社の成功を見て、競合他社も一気にペットボトルコーヒーに参入を決めています。

伊藤園は2017年10月に『TULLY’S COFFEE Smooth black MEDIUM(タリーズコーヒースムースブラックミディアム)』、2018年3月に『TULLY’S COFFEE Smooth taste LATTE(タリーズコーヒー スムース テイスト ラテ)』を新発売。UCC上島珈琲は2018年3月に『UCC BLACK COLD BREW』、4月に『UCC BEANS & ROASTERSマイルドラテ』を販売開始しました。

さらには、コカ・コーラシステムが4月、『ジョージア ジャパン クラフトマン ブラック』、『ジョージア ジャパン クラフトマン カフェラテ』を新発売しました。後発3社いずれも、「すっきりとした後味」を訴求するなど、『クラフトボス』を意識していることは明らかです。

ペットボトルコーヒーの厳しい戦いが始まりそうです。缶コーヒーでは圧倒的な強さを誇る『ジョージア』が巻き返しを図るのか、ペットボトルコーヒーという新たな市場を生み出した『ボス』が牙城を守ることができるのか、注目したいところです。

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>実は缶コーヒーをよく飲むのは、建設業・製造業などやトラック運転手など、体を使う労働者

ペットボトルだと密閉できて便利ってことなのかな

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