中国政府、密かに物凄い数の「水素ステーション」を建設中、EVは囮、FCVが本命

中国政府、密かに物凄い数の「水素ステーション」を建設中、EVは囮、FCVが本命

EV大国・中国、水素燃料電池車じわり 次見据え地方で

中国政府が国家を挙げて電気自動車(EV)やその関連産業を育てようとしているなか、地方ではその先を見越して、水素燃料電池車(FCV)の普及に向けた態勢づくりが着々と進んでいる。FCVが本格的に普及すれば、EVで後れを取る日本勢も活躍するチャンスが増えそうだ。

広東省仏山市南海区。独フォルクスワーゲンの完成車工場があり、カーディーラーが並ぶ自動車の街中を、FCV路線バスが駆け抜ける。車体には「中国初の水素燃料電池車モデル路線」とある。

南海区は中国で最もFCVの普及に取り組む地方政府の一つだ。区西部では2017年9月、中国初の商用の水素ステーションができた。バスや貨物車に1日十数回、水素を補給。水素ステーションは今年、8基以上に増強される。現在7台のバスはさらに15台増やし、FCV貨物車500台を運行させる。区政府の黄捷氏は「水素はまだそれほど社会で使われていない。普及には、政策による誘導や補助が必要だ」と話す。

地元企業も、水素で全国をリードしようと意気込む。16年設立のテロス自動車動力システムズは、22年までに年1万台のFCVのバスを造れる態勢にする計画だ。張鋭明社長は「1万台造れれば、FCVバスはEVバスより3、4割は安くできる」と見込む。リサイクルを手がける瀚藍環境も、ゴミ処理で得られる電力やメタンガスを活用し、燃料の水素を量産する計画だ。

国レベルでも計画
FCVは、水素と酸素を化学反応させてつくった電気で走る。大気汚染物質を排出しないため、究極のエコカーと呼ばれる。

また、中国は石油や天然ガスを輸入に依存しており、FCVの普及はエネルギーの安全保障にも役立つ。同済大学自動車学院の馬天才副教授は「我が国に豊富な風力など新電力を水素製造に使えば、国全体のエネルギー効率が向上する」と期待をかける。

中国政府はEVとともにFCVも推進する姿勢を打ち出してきたが、具体的な計画は南海区など地方政府が主体になって定めてきた。だが、国レベルで普及計画立案も動き出した。きっかけは17年秋の中国共産党大会。習近平(シーチンピン)総書記(国家主席)が環境に優しく、低炭素型、循環型の経済発展を通じた「美しい中国の建設」を提起したことだ。

2月には、エネルギー関連の国有企業など17団体が「中国水素エネルギー・燃料電池産業イノベーション戦略連盟」を設立した。中国中央テレビによると新エネルギー車推進の先頭に立ってきた万鋼・科学技術相(当時)は連盟の成立式典で、「水素エネルギーの生産、貯蔵、運輸と水素ステーションのネットワークを建設する計画を立てなければならない」と強調し、国レベルで具体策に取り組む方針を明らかにした。

日本技術にも着目
4月19日、上海市であった上海国際技術輸出入交易会。習氏の側近の一人で上海市トップの李強書記が、水素エネルギーの普及に力を入れる横浜市の展示を訪れ、斎藤信明・市上海事務所長に「上海に先進的技術を紹介することを歓迎する」と呼びかけた。

上海市は仏山市南海区と並び、FCVの普及に力を入れている。20年までに5~10基の水素ステーションを造り、3千台のFCVを運行させる計画だ。そこで、目を付けたのが水素エネルギーの応用に一日の長がある日本。李氏は水素ステーションを出展した計量機メーカー・タツノ(東京)の商談まで視察した。

FCVの普及に力を入れる地方政府が注目するのは、2014年に世界で初めてFCVを発売したトヨタ自動車の動向だ。

トヨタは江蘇省常熟市に水素ステーションを設置し、17年10月からFCV「MIRAI(ミライ)」2台による3年間の実証実験を始めた。バスなど商用車向けの実験を広げ、中国での燃料電池技術の応用を探る。トヨタの中尾清哉常務役員は25日、記者団に「商用車への適応がきわめて重要と考えている」と語り、地方政府が進めるFCVの運行への関与もありうるとの見方を示した。(仏山=福田直之)

中国で水素燃料電池車(FCV)は普及するのか。FCV研究の第一人者で同済大学副教授の馬天才氏に聞いた。

――FCVは、どれほど普及するとみていますか。

「中国では2025年に広がりはじめ、30年までに本当の意味での普及局面に至るとみている。水素燃料電池の技術は今、日本が中国の先を行っている。だが、中国の政治体制は大きな政策を実行するときに優れており、水素ステーションなどのインフラ建設でも非常に素早く済ますことができる。我々の政府は実行力が強い」

――中国政府はまず電気自動車(EV)を推進してきました。これからはFCVに推進対象を変えるのですか。

「我が国は今まで、どれか一つの新エネルギーだけを発展させると言ったことはない。ただ、新たな技術が競争力を持つ前に、政策を通じて成熟する後押しをしている。産業として成り立つようになった後は、政府は手を引くことになる」

――中国は石油の輸入大国です。エネルギー安全保障を考えたとき、水素燃料電池は役立ちますか。

「当然、役に立つ。我が国に豊富にある風力や太陽光などの新電力を水素の製造に使えば、究極のクリーンエネルギーになる。それは国のエネルギー安全保障から見ても、国全体のエネルギー効率が向上する点から見ても非常に良いことだ」

EV大国・中国、水素燃料電池車じわり 次見据え地方で:朝日新聞デジタル
 中国政府が国家を挙げて電気自動車(EV)やその関連産業を育てようとしているなか、地方ではその先を見越して、水素燃料電池車(FCV)の普及に向けた態勢づくりが着々と進んでいる。FCVが本格的に普及すれ…

 

チャイナボカンの予感が…(;´Д`)

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