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世界最大の児童ポルノサイト、オーストラリア警察が運営していた

   

世界最大の児童ポルノサイト、オーストラリア警察が運営していた

オーストラリア警察が世界最大の児童ポルノサイトを11ヶ月運営していたことが判明

ノルウェイのタブロイド紙のヴェルデンス・ガング(VG)は、Tor経由でアクセスできるいわゆるダークウェブの中で世界最大の児童ポルノサイトであるChilds Playは、オーストラリア警察によって運営されていたことをつきとめた。この顛末は倫理的にも技術的にも興味深い。

この児童ポルノサイトは、当時ダークウェブの児童ポルノサイトの中でも世界最大級の規模を持っていた。各国の警察は様々な捜査の上、このサイトを運営していた二人の逮捕に至った。そして、Webサイトは、各国警察相談の上、おとり捜査が合法な国、オーストラリア警察、アルゴスの手に委ねられた。アルゴスはWebサイトのホスティングをオーストラリアのレンタルホスティングサービス、Digital Pacificに移し、そこでWebサイトの運営を続けた。

児童ポルノサイトの運営者を逮捕した後、警察がWebサイトを運営し続けておとり捜査に使うというのはよくあることだ。VGのまとめによれば、すでに以下のWebサイトが警察によって運営されていたことが知られているという。

  • Elysium: ドイツ、BKAにより数日アクセスされた
  • Playpen: USA, FBIにより2週間運営
  • The Giftbox Exchange: EUにより約1ヶ月運営
  • The Love Zone: オーストラリア、アルゴスにより6ヶ月運営

今回、オーストラリアの警察組織アルゴスによって、当時世界最大だった児童ポルノサイトのChilds Playは11ヶ月運営された。

児童ポルノサイトをおとり捜査のために運営することは様々な倫理上の問題を引き起こすが、今回の例はさらに倫理上の疑問点がある。Childs Playの運営者は頻繁にフォーラムにあらわれていた他に、一ヶ月ごとに必ず新作の児童ポルノを提供していたのだった。運営者が逮捕されたことを利用者にさとられないよう、オーストラリア警察の捜査官は運営者の語彙を使い、書き言葉をまねてフォーラムへの書き込みを続けていたが、ついに次の新作児童ポルノを投稿しなければならない時期にきた。そこで、オーストラリア警察はすでに押収していたそのWebサイトにはない児童ポルノを投稿して運営を継続した。

これはおとり捜査が違法で、法律の記述は、単に潜入捜査員の身を守るために本来ならば犯罪になる行為(麻薬の購入や違法な武器の受け渡し、競馬競輪競艇オートレースのノミ屋の脚)をすることができると定めているもので、おとり捜査を許可したものではない日本に住む筆者の倫理観では理解ができない。

結局、一定の割合で児童ポルノを求める人間がいるのであれば、児童ポルノサイトを運営し続ければ犯罪を摘発をし続けることができるわけだ。犯罪の摘発はオーストラリア警察にとって評価対象だ。すると、児童ポルノは評価を生み出す装置となり、継続して運営するインセンティブが生じる。今回、11ヶ月の長きに渡り押収した児童ポルノサイトの運営を警察が続けたのは、このようなインセンティブのせいだろう。ましてや押収した児童ポルノサイトにはなかった児童ポルノをよそから持ってきてオーストラリア警察が公開しているというのは、もはやオーストラリア警察が犯罪を行っているのと同じではないか。オーストラリアの法ではおとり捜査が認められているのでオーストラリア警察の行為はオーストラリア国内では違法ではないということになるのだが。

さて、倫理面についてはこのぐらいにして、技術面に移る。

ノルウェイのタブロイド紙であるVGはChils Playがオーストラリア警察の手によって運営されていることを突き止めたのだが、これは至って合法的な方法で行われた。

オーストラリア警察アルゴスは、WebサイトのホスティングをオーストラリアのレンタルホスティングサービスのDigital Pacificに移した。しかし、WebサイトへのアクセスはTor経由でなければ行えないため、物理サーバーのIPアドレスはわからない。VGは当初、フォーラムの投稿から運営元を突き止めようとしたが、Webサイトの利用者の一部は簡単に特定できたものの、元運営者は注意深かく、運営を引き継いだオーストラリア警察も注意深かったので、身元はわからなかった。

そこでVGは、もっと古典的な方法で物理サーバーのIPアドレスを調べることにした。

Webサイトの実装のほとんどは注意深くTor経由で行われていたが、うっかり物理サーバーから直接アクセスしている箇所があったのだ。

Webサイトはユーザーがアカウントのプロフィール画像を設定できるようにしていたが、この設定では、URLを指定することができた。URLから画像をダウンロードするのはTorを経由せず、物理サーバーが直接行ってしまっていた。

これによってVGはDigital PacifcのIPアドレスであることを突き止めたが、まだここで終わりではない。Digital Pacificがホストしているサーバーは単なるプロクシー、VPN、あるいはTor exit nodeかもしれないからだ。

そこでVGはDigital PacificのサーバーがVPNではなくWebサイトを直接ホストしているかどうかを判定するために、いわゆるサイドチャネル攻撃を行った。Digital Pacificのサーバーをレンタルし、プロファイル画像のURLをそのサーバーに向けるようにしたのだ。そして、サーバー間のラウンドトリップ時間を計測した。Digital Pacificが単なる中継サーバーならば、ラウンドトリップ時間は同一データセンター内よりはるかに長いはずだ。こうして同一データセンター内で処理が行われていると思しき短いラウンドトリップ時間を確認した。

そしてもう一つ、サーバー間のMTUとパケット分割を計測することで、同一のローカルエリア・ネットワークに存在する可能性が高いことを確認した。

この件は倫理と技術の両方の点で面白い事件だった。筆者はおとり捜査には反対の立場だ。理由は、児童ポルノサイトが存在すれば、そこにアクセスする人間が一定の割合で存在する。するとおとり捜査を続ければ続けるほど、検挙ができるということになる。検挙は成果でありインセンティブとなる。おとり捜査を続ければ続けるほど成果が出るのであれば、インセンティブに従って、おとり捜査は発覚するまで永久に続けるべきであるということになる。結果として今回のオーストラリア警察による児童ポルノサイトの運営は11ヶ月も続けられた。これではミイラ取りがミイラになったようなものだ。しかし、警察のおとり捜査によって児童ポルノサイトが存在しなければ、そのような犯罪は本来発生しなかったはずだ。

このようなインセンティブの問題のため、おとり捜査は違法となるべきだ。

https://cpplover.blogspot.my/2017/10/11.html?m=1

Webサイトを使ったおとり捜査ってのはこれ以外にも世界中で事例があるんだって。効果はあるんだろうけど、こういうやり方って倫理上どうなんだろうね(;・∀・)

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