畜産・酪農現場が完全終了!?時給1500円でも集まらず

人手集まらぬ 畜産・酪農現場が悲鳴 北海道

人手集まらぬ 畜産・酪農現場が悲鳴 北海道

畜産の現場で、労働力不足が深刻化している。特に、生乳生産量が全国の半分以上を占め生産の集中が進む北海道では、規模拡大で従業員を増やす酪農家が増加。人手不足に拍車が掛かっているとみられる。雇用動向を示す指標の一つである有効求人倍率を見ると、酪農や畜産などに従事する「養畜作業員」は2017年度、全国で「2・8」、北海道で「4・66」を記録した。北海道は酪農の他、牛、豚といった畜産の生産量も多く、規模拡大にブレーキがかかりかねないと危惧する声も上がる。(川崎勇、望月悠希)

規模拡大で“争奪” 好待遇も応募なく

稚内市で115頭を育てる酪農家・大硲秀幸さん(38)の休日は、2週間に1日だけだ。酪農は毎日、早朝と夕方以降に牛舎の掃除や餌やり、搾乳などの作業が集中する。大硲さんは平日朝に来るパートタイマー1人と日々の作業に追われる。酪農ヘルパーを依頼できる人数の限度まで来てもらうが、「(人手は)ぎりぎりの状態」と話す。

ここ数年、求人の厳しさを実感する。以前勤務していた従業員が辞めたため、2年ほど前から正社員を募集するが応募がない。3月から時給を1500円(夏場は同2000円)に上げ、勤務時間も柔軟にして募集する。それでも目標のパートタイマー3人が集まらない。

別海町で乳牛150頭を飼う阿部貴宏さん(40)は、少人数でも作業できる体系を整えようと、搾乳ロボットや自動餌寄せロボットを導入。積極的に機械化を進めても人手不足を痛感する。従業員が3月末に1人、新規就農に伴い退職。妻と従業員1人を含め3人体制で作業するが負担は大きい。求人サイトで募集をかけているが、人材は集まらない。

阿部さんは「ヘルパーやコントラクター(農作業受託組織)なども含め、酪農業界はどこも人手が足りない。雇用条件の見直しが必要だ」と指摘する。引っ越し代の助成や、月4、5日休みが当たり前の酪農業界で柔軟な休日設定を受け入れるなど、従業員の働き方も考慮する方針だという。

畜産の労働力不足は、離農が進む一方、大規模化して経営に必要な従業員数が増えていることが背景にある。道によると、17年の酪農家戸数は6310戸。1990年に比べて約6割減少した。一方で、規模拡大は進み、1戸当たりの飼養頭数は123・5頭で同2倍以上となっている。

大硲さんも将来を見据え、収益を少しでも確保し経営基盤を固めようと、離農した牛舎を買い取り飼養頭数も拡大させてきた。だが「労働力が足りずこれ以上の増頭は難しい」と不安を募らせる。「酪農はやりがいがある仕事。牧草の収穫など作業が増す夏場までに、何とか人を集めたい」と話す。

管内のJA稚内も酪農ヘルパーなどの派遣で酪農家を支えるが、「ヘルパーの求人を出しても人が集まりにくくなっている」(営農部)と危惧する。「農業・人フェア」でのPRなど、人を呼び込む努力を続ける方針だ。

求人倍率4超す 外国人実習生受け入れ増加

「養畜作業員」は、乳牛・肉牛の他、養鶏や養豚、馬などの飼育作業員を含む。有効求人倍率は、ハローワークに求人し雇用期間の定めがないか、4カ月以上の雇用期間を定めた仕事を対象としてまとめた。新規学卒を除き、パートタイマーを含む。

北海道内の養畜作業員の月間有効求人倍率は、2014年1月に「2・6」だったが、16年同月に「3・09」、18年同月には「4・69」と年々上昇している。全産業では「1・16」で、他業種に比べても突出している。養畜作業員は17年8、10月に「4・99」まで上昇した。およそ5人の求人に1人の応募しかなく、厚生労働省北海道労働局は「調査開始以来、過去最高の水準」とみている。

労働力不足を、外国人技能実習生の受け入れでしのぐケースも少なくない。北海道での農業分野での実習生受け入れ数は増加傾向にある。道の聞き取り調査によると、道内で農業を学ぶ実習生は、2016年に2155人と前年に比べて15%増えた。送り出し国側の事情もあるが、人手不足を反映しているとみられる。

日本農業新聞 - 人手集まらぬ 畜産・酪農現場が悲鳴 北海道
日本農業新聞は、国内唯一の日刊農業専門紙です。農政や農家の営農に役立つ技術情報、流通・市況情報に加え、消費者の関心も高い食の安全・安心、農産物直売所、地産地消、食農教育なども取り上げます。国民の暮らしに直結するTPP問題も徹底報道中。

 

ここでも結局は外国人技能実習生にブラック労働を押し付けるわけね…(;´д`)トホホ

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