なぜアフリカはずっと貧困で苦しんでいるのか?

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アフリカが貧困イメージから抜け出せない理由
自立的な経済成長に必要なものは何なのか

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動き始めた獅子、希望に満ちた大陸──。最後の成長市場としてアフリカに熱視線が注がれて20年。この間世界平均を上回る成長率をあげながら、いまだ貧困イメージを抜け出せないのはなぜなのか。「資源開発と紛争」を切り口に観察してきた著者が語る、いまだ色濃い負の部分。『アフリカ経済の真実 ――資源開発と紛争の論理 』を書いた千葉商科大学人間社会学部の吉田敦准教授に聞いた。

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資源国でも国民の生活水準上がっていない
──近年の経済状況は?

僕が調査した国では、モロッコなどが成長しています。地理的に欧州に近く、工業団地の下請け企業が輸出している。アルジェリアなど産油国は2004年から2008年にかけて平均5%超の成長をしてきた。ただそれはマクロ統計の話。実際に経済を好循環させ雇用を拡大させているかというと別です。

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2010年代以降原油価格が下落すると、資源収益で貯め込んだ安定化基金を取り崩していて、アルジェリアではだんだん底を突いていっているところですね。鉱物資源が豊富なマダガスカルなどは、今は海外からの直接投資も入っていない。多くの資源国で産業の多様化や国民の生活水準底上げに至っていません。むしろ硬直的な権力体制を肥大化させ、国が抱える病をさらに進行させている気がします。

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──依然として紛争も多いですね。

多様な要素が絡み合っています。1960年代前半の独立以降、多くの国が国民国家建設で失敗しました。自らの手に自国の地下資源を取り戻し、早急に経済成長を遂げようと、国営企業を軸とした中央集権的政策を急いだ。当時は社会主義型が工業化成功への近道だと信じられたんです。

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実際には、国営企業といっても欧米外資依存だった。自ら技術力を育てようとか、オリジナルの形を創造しようとかいう意欲もインセンティブもなかったわけです。資源価格が悪化すると赤字に転落、1980年代には膨大な借金だけ残して頓挫した。IMFや世銀などから、融資条件として国営企業解体や市場自由化への転換を迫られます。

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そもそもの統治手法や正統性を問われることなく、また制度的基盤も整わないままで、市場経済の荒波に突っ込んでいった。独裁政権の圧政下で多くの歪みや不満が暴動の形で顕在化し、何万人もが虐殺されても、国家としての体制がある限り国際社会は黙認しました。

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──冷戦終結も大きく影響した。

東西の緩衝地としての地政学的重要性が消え、後ろ盾を失った政権の統治能力は低下して、“権力の真空”状態に陥る国が続出します。絶対的権力の重しが外れ、武装勢力が各地で蜂起する。冷戦後の戦う主体は、それまでの国家・正規軍から、民間傭兵部隊や軍閥、自警団、テロ組織、犯罪組織などへ変わった。集落や村を襲撃して住民を虐殺、物資を略奪する。鉱床地帯を制圧して鉱物資源を密輸し、国際市場から資金や武器を調達する。機能不全の政府は鎮圧がますます困難になり、その悪循環で紛争が長期化していきました。

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無秩序状態のほうが「好都合」だった人々
──豊かな資源が逆に作用した?

道義的対立以上に、略奪可能な資源への欲望が膨張したともいえる。政府が公然と密輸に関わるような場合は、協力関係さえあった。紛争が長期化し無秩序状態に陥るほうが、武装勢力にとっても政府高官・軍人など既得権益者にとっても好都合だったかもしれない。この辺は公式な報告や統計があるわけでなく、あくまで推測ですが。

ただ明らかなのは、この間民衆は貧困と絶望に取り残され続けたということ。テロが吹き荒れる恐怖より、汚職に目をつぶっていたほうがましと黙すしかなかった。

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──「開発」という言葉に潜む暴力性も指摘されていますね。

開発の名の下に外資による資源採掘や農地開発が行われ、他部門への波及効果はなく、特定の産業のみが肥大した経済構造が固定化される。その歪みが、暴動やテロリストの自己正当化、自国民同士が殺し合う内戦を誘発する。ただし重要なのは、一方的な支配と搾取ではなくて、アフリカ諸国側にも問題があったこと。指導者たちはなるべく多く資金を獲得しようと、言われるままに政策を寄せていく。つぎ込まれた投資が、最終的に国民に分配されることはない。

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僕が次に研究したいと思っているのは、新たに鉱物資源が発見された国。西アフリカ諸国で近年油田開発が進んでいますが、技術もノウハウもなく、監督省庁もなければ人材もなしでスタートする国が依然としてあるわけです。以前話を聞いた際には、海外のローファームなどに政策から法律整備、プロジェクト計画まですべて丸投げしている状況でした。

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残念なのは「真のリーダー」が出てこないこと
──投資対象として大規模農地の例が出てきます。ランドグラブ=土地収奪という言葉とともに。

新興国の需要増大など食料危機を背景に、2008年ごろから外資主導の農地開発が熱を帯びました。ただ批判の声が高まって、現状は縮小傾向です。土地を収用された地元小農たちはさらに貧しい生活に追いやられ、プロジェクトが失敗し撤退したケースでは、文字どおり収入ゼロ、森を伐採・開墾された後では炭焼きさえもできず自活手段がない。

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日本政府がモザンビークで進めていた大豆・トウモロコシなど輸出作物用の大規模農地開発も、つい最近中止が発表されました。「完了した」という言い方だけど、事実上の中止です。やはり地元農民からの反発、反対運動を受けてのものだと思います。

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──アフリカの自立というか、今後の経済成長のシナリオは?

執筆に当たって、何らかの解決策の提言もすべきか編集者と話し合いました。例えば、中産階級が育って消費拡大を牽引するアジアのような成長パターンが描けるか。僕としては期待薄なんじゃないかと思うんです。本格的な地場産業の発展に移行しつつある国は見当たらないのが率直な印象です。冒頭で挙げたモロッコにしても、僕の中でまだ確証はない。また、石油・天然ガス収益や資源収益に依存した経済成長は、実態の伴わない成長であり持続可能ではない。

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非常に残念なのは、国と国民を引っ張る真のリーダーがなかなか出てこないこと。優秀な人材はアフリカから出てしまい、海外でのポストやビジネスチャンスを模索するうちに国へ戻らなくなることが多い。自国の発展を心底願う人が帰国し、国をよい方向に動かしていく好循環が加速していくことが必要です。

https://toyokeizai.net/articles/-/370499

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sakamobi
sakamobi

部族信仰が存在している限り先進的な発展を遂げることはまず有り得ないだろうな
民族としての土着思想そのものが貧困状態を肯定してるのだから😟😟😟

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