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若者の「大丈夫」の使い方がおかしい…「今晩飲みに行くか?」「大丈夫です(ノー)」

   

若者の「大丈夫」の使い方がおかしい…「今晩飲みに行くか?」「大丈夫です(ノー)」

若者の「大丈夫」の使い方がおかしい…あなたは「大丈夫」?

「大丈夫」っていう言葉が、大丈夫じゃないらしい。ノー、の意味に使う若者が増えているというのだ。何だ、また乱れる若者言葉か、と単純な話でもないようで……。

東京・銀座でバーを営むマスター(75)。東京五輪の翌々年、1966年に店をオープンして半世紀、言葉や時代の移り変わりを肌で感じてきた。記者が久しぶりに店を訪ねると、「最近、妙な言葉に出合った」と切り出した。

「50代の常連のお客さんが独りで店に来たので、どうしました?と聞くと、20代の若い部下を誘ったけれど断られたって。それはいいんだけど、その断り方が訳わからない。“今晩、一杯飲みに行くか?”って誘ったら“大丈夫です”って言われたって言うんだ。“大丈夫”なら来られるはずだろう。いったい何が大丈夫なんだ?」

「大丈夫」の語源は「立派な男」。そこから派生して、しっかりしていて危なげがない、安心できるさまを表す言葉となった。「彼に任せておけば大丈夫だ」とか、転んだ人に「大丈夫ですか?」と声をかけるといった感じだ。

そんな「本来」とは違う使われ方。発信源はどうやら若者のようだ。そこで東京・渋谷にキャンパスがある実践女子大学の学生たちに、どんなとき「大丈夫」を使うのかを聞いてみた。

学生Aさんは、友だちの誘いを断るときに「大丈夫」を使うという。

「“今日、ムリ”とか言ってきっぱりと断ると、相手を傷つけてしまう気がする。でも“大丈夫”だと優しい感じがします」

同じく実践女子大のBさんは「レシート、要りますか?」と聞かれたときに「大丈夫です」と言って断る。

「“要りません”だとキツイ感じがして。わざわざ聞いてくれてありがとうみたいな気持ちをこめて“大丈夫”と言います」

最近の辞書にはどう書いてあるのだろう。気になって、若者言葉に強い明鏡国語辞典を開いてみた。2010年に発刊した第二版でいち早く「大丈夫」の新用法に触れている。

「相手の勧誘などを遠回しに拒否する俗語。そんな気遣いはなくても問題はないの意から、主に若者が使う」と説明。例文として「お一ついかが?」「いえ、大丈夫です」を挙げている。

辞典の編者で新潟産業大学学長の北原保雄さんはこう話す。

「20代の部下が50代の上司に“大丈夫です”と言ったのは、私を誘ってくださるようなお気遣いはなくて大丈夫です、という意味。本来は、危なげがない場面で使う言葉なので違和感が生じるのです」

これは、いわゆる言葉の乱れなのか? この点について北原さんは次のように説明する。

「言葉というものは絶えず変化するもの。私は7割以上の人が使うようになったら、辞書に収める候補にしています」

実践女子大学教授の山下早代子さん(応用言語学)は13年、「大丈夫」の新用法について若者、中年、シニア層の計108人の使用状況と意識を調査した。

タクシーから降りるとき、運転手から「領収書はいりますか?」と聞かれて断るとき、「大丈夫です」を使うか。20代の約7割は「使う」と答えたのに対し、60代以上のシニア層は約9割が「使わない」。シニア層の7割弱は「ほかの人が使うのを聞いて気になる」とも答えた。

山下さんは、新用法の「大丈夫」は、英語の「OK」に置き換えると意味が通じると考えている。

「コーヒーで大丈夫(OK)ですか?」「(砂糖はなくて)大丈夫(OK)です」

「大丈夫」という断り方が、英語の「ノーサンキュー」に当たるという見方もある。感謝しつつ断ることで、婉曲に断れて便利とも言えるが……。

「“大丈夫”と言われても、それだけでは答えがイエスなのか、ノーなのかはわかりません。だから、相手の表情とかも見て判断します」

前出のAさんは、自分の誘いに対して相手が「大丈夫」と返してきたとき、言葉のイントネーションや間投詞を敏感に聞き分けるという。

http://dot.asahi.com/aera/2016021700126.html

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